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「WEB版 明治維新資料室」公開記念展示:「『英国志』」

「WEB版 明治維新資料室」公開記念展示

「WEB版 明治維新資料室」公開記念展示『英国志』の様子です。

公開日:2017年4月15日

「WEB版 明治維新資料室」の公開記念展示として、幕末に長州藩によって翻刻された『英国志』を展示しています。

展示期間:平成29年4月4日(火曜日)~5月30日(火曜日)

『英国志』(文久元年・1861年)

『英国志』の写真です。

『英国志』(えいこくし)は、長く上海に滞在したイギリスの宣教師慕維廉(ミュアヘッド、William Muirhead 1822-1900)が著した『大英国志』(8巻、1856年上海刊)を、長州藩が翻刻したものです。『大英国志』は、凡例によると「英士托馬斯米爾納」(ミルナー、Thomas Milner)の英国史原本を慕維廉(ミュアヘッド)が漢訳したもので、1~7巻はイギリスの開国起原からヴィクトリア朝に至る通史、8巻は中国史の例にならって「職制」「刑法」「教会」「財賦」「学校」「兵」「農商」「地理」の八志を略述しています。

安政6年(1859)、長州藩はこの『大英国志』の翻刻を江戸の藩邸にいた藩医青木周弼(あおきしゅうすけ 1803-1863)に命じます。青木は幕府の許可を得て作業に取りかかりますが、翌年には萩の医学所好生堂出仕となり帰国することとなります。この後は、校訂方を命じられた山県半蔵(やまがたはんぞう 1829-1901)と能美隆庵(のうみりゅうあん 1825-1890)が翻刻にあたり、書名を『英国志』と改め、「長門温知社蔵梓」として文久元年(1861)に刊行しました。 県立図書館には美濃判8冊本と半紙判5冊本の2種類があり、美濃判には「蕃書調所改」の黒印があります。

参考文献
1『青木周弼』 岡原義二著 大空社 1994 pp.365-366
2『洋学史事典』 日蘭学会編 雄松堂出版 1984 p.85
3『鎖国時代 日本人の海外知識』 開国百年記念文化事業会編 原書房 1980 pp.404-406
4『キリスト教人名辞典』 日本基督教団出版局 1986 p.1616