マイ・ベスト・ブック 〜この本、おすすめ!〜
No.10(2009年9月)
山口県立山口図書館 新刊児童書研究会編集
山口県立山口図書館 山口県子ども読書支援センター発行
TEL:083-924-2111 FAX:083-932-2817
山口県立山口図書館 山口県子ども読書支援センター発行
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この「マイ・ベスト・ブック」は、新刊児童書研究会のメンバーが推薦する本のリストです。子ども読書推進活動などにお役立てください。
<絵本>
- 『ちょうちょうひらひら』 まどみちお 文 にしまきかやこ 絵 こぐま社 2008年2月
- 言わずと知れた、まどみちおの詩ですが、シンプルでナイーブな中にも暖かいものがあります。これだけの少ない文字で、こんなにも豊かな情感が表されていることに、さすがだなと思いました。
また、この詩に負けないぐらいこの絵がいい。聖書に「汝ら、もし、おさなごのごとくならざれば、天国に入ることあたわざるべし」とありますが、この絵はおさなごの気持ちになって描いているように感じました。(N.A)
- 『わたしがぼくがちきゅうのためにできる10のこと』 メラニー・ウォルシュ 作 チャイルド本社 2009年1月
- 裏表紙に、「このほんにはみんなのすんでいるちきゅうをまもるためにできるかんたんな10のことがかいてあります」と書いてあるとおり、子どもたちの普通の生活の中でちょっと気を配ればできる節電や節水・ごみの分別などが分かりやすく説明してあります。各ページをめくるのが楽しみです。(C.Y)
- 『ふるるるる』 武鹿悦子 作 フレーベル館 2009年2月
- 表紙の満開の桜とそれを見上げるくまさんの絵から、子どもたちは「どんなお話かな?」と興味津々。見開きのページも満開の桜で春爛漫。動物たちのかわいい表情に子どもたちの顔がほころびます。晴れた日に、満開の桜の木の下で読み聞かせたい、ほっとする1冊です。(C.Y)
- 『かいてんずしだいさくせん』 平田昌広 文 平田景 絵 講談社 2009年2月
- 「かいてんずしだいさくせん」の表紙を見た子どもたちは、「かいてんずし、行ったことある。」「ぼくは、いくらが好き。」など口々に話していました。軽妙な語り口とダイナミックな絵、にぎやかな寿司店の中の様子など、読んでいて元気が出てきました。魚の挿絵も楽しくて、子どもたちは、挿絵のすみずみまで楽しんでいました。(C.Y)
- 『しろくまくんおてがみですよ』 バリー・アブレット 作 ブロンズ新社 2008年10月
- 北極のしろくまくんは、さむくてがらんとした家にひとりで住んでいてさびしくなってしまいました。そこでしろくまくんは、オーストラリアに住むコアラちゃんへ手紙を書きました。ペンギンの郵便屋さんはオーストラリアまで手紙を届け、コアラちゃんからの贈り物をしろくまくんに持ち帰ります。コアラちゃんからのプレゼントで元気の出たしろくまくんは、パンダくんにも手紙を書きます。手紙がちょっとした仕掛けになっているのを子どもたちはとても喜んで見ていました。(C.Y)
<小学生向き読み物>
- 『トランプおじさんとペロンジのなぞ』 たかどのほうこ 作 偕成社 2008年12月
- トランプおじさんは、イルカーネポポラーネという名の犬と一緒に村はずれのガタピシした家で暮らす哲学者。皮肉屋で頑固。そのうえ動物の言葉がわかる変わり者。動物の字も読めるので、もぐらの作る「もぐらクラブ」という新聞をとっています。ところがある時、この新聞をめぐって難解な事件が起きました……。
挿絵が文章とぴったり合っていて、おはなしの面白さを盛り上げています。最後に「どうぶつ文字一覧表」も付いているので、挿絵の中に書かれたどうぶつ文字を読む楽しさも味わえます。(N.Y)
- 『ベルおばさんが消えた朝』 ルース・ホワイト 作 徳間書店 2009年3月
- ある日突然、母親の行方がわからなくなってしまったウッドローと、一見幸せそうに見えるが、実は自殺した父親の姿を見た時の衝撃から立ち直れずにいるジプシー。このふたりはいとこ同士。ふたりとも、抱え込んだ問題におしつぶされてしまった親たちの姿を目の前につきつけられ、それを自分の中におさめきれずに苦悩しているが、それぞれの心の傷を、自分なりに一生懸命癒していく姿が心に残ります。(Y.N)
- 『のろのろひつじとせかせかひつじ』 蜂飼耳 作 ミヤハラヨウコ 絵 理論社 2009年1月
- おとなりどうしに暮らしている、のろのろひつじとせかせかひつじ。性格は正反対だけど、仲良くお茶したり、おでかけしたり。つかず、はなれずの距離が、ちょうど良い。余韻の残る、ちょっと不思議な読後感があります。(M.S)
<ティーンズ(中・高生)向き読み物>
- 『オニロック』 中村航 文 宮尾和孝 絵 ジャイブ 2009年2月
- 都会に憧れた主人公が上京して、仲間と出会ってロックバンドを結成する、というよくありそうな青春ストーリーだけど、普通じゃないのは、主人公がオニだってこと。オニである自分、分からないことだらけの自分になかなか自信が持てないでいる主人公と一緒に、なんとか自分らしくがんばっていこうという気にさせられます。(M.S)
<ノンフィクション>
- 『日本のくらしの知恵事典』 神野善治 監修 岩崎書店 2008年9月
- 大変楽しい本に思えました。まさに幼児から大人まで楽しめます。それは、幼児でも簡単に作ることができるし、大人が複雑に作ることもできるからです。知能の発達に従いながら、また、努力の積み重ねによっていろいろ工夫すれば、どんどんおもしろいものが作れます。私たちが生活している身近な動物、植物については、左右対称になっているものが大変多い事に、この本によって気づかされます。木や草花の葉っぱ一つとっても、左右対称の多くの型をしたものがあるのに驚きます。またこれらの切り紙をネックレスや栞などに使ってみるのも楽しいと思います。(タイトルが少し固いように思いました。)(A.N)
以上です。