マイ・ベスト・ブック 〜この本、おすすめ!〜
No.8(2009年1月)

山口県立山口図書館 新刊児童書研究会編集
山口県立山口図書館 子ども読書支援センター発行
TEL:083-924-2111 FAX:083-932-2817

この「マイ・ベスト・ブック」は、新刊児童書研究会のメンバーが推薦する本のリストです。子ども読書推進活動などにお役立てください。

<絵本>

『みつばちみつひめ』  秋山あゆ子 作  ブロンズ新社  2008年5月
秋山あゆ子さんと聞くと『くものすおやぶん とりものちょう』をすぐに思い出します。 その時に彼女が「大好きな虫たちをたくさん描くことができて幸せでした」とコメントしていたのが印象的でした。 この本も同様に、はちが何種類も出てきますが、そのキャスティングが絶妙です。 みつばちのみつひめ、まるはなばちのだんごや、はりきりばちのふくろものや、とっくりばちのやきものや……と納得のいくラインナップです。 おてんばな姫様がハチャメチャをしますが、ちゃんと素直にあやまるところがとてもよいです。 園児たちの読み聞かせで大人気です。(M.I)

<ノンフィクション>

『ホネホネたんけんたい』  西澤真樹子 監修・解説  大西成明 写真  松田素子 文  アリス館  2008年2月
骨には、動物たちが生きていくための工夫がたくさん込められている。 固く大きくなる骨もあれば、スカスカになったりする骨もある。 普段は見えないし、意識する事もない骨だけれどいろいろな役割を持っていることがよくわかるユニークな知識絵本です。 松田素子さんは、周南市出身の編集者です。(M.S)
『命をつなげ! ドクターヘリ』  岩貞るみこ 著  講談社  2008年7月
「ドクターヘリ」という言葉を聞くことは多くなったが詳しい事は知りませんでした。 ただ、ヘリと医者を用意すればよいのではなく、医療、ヘリの運行、消防など様々なチームが支えている事がわかりました。 地方の医療格差の問題を解決するのは、ドクターヘリかもしれないとも思いました。(M.S)

<小学生向き読み物>

『ペンネームは夏目リュウ!−きみも物語が書けるー』 濱野京子 文  サクマメイ 絵  日本児童文学者協会 編
クラスメイトの女の子に対抗して、物語を書くことになってしまった小学5年生の男の子が主人公。 自分が作ったキャラクターが目の前にあらわれたり、友だちと力をあわせて文集を作ったり、おはなしを書くのって楽しそう。 ミニミニ創作講座は実際に書いてみようと思ったときに役立つかもしれません。 那須正幹さんのインタビューや、あまんきみこさんらへの質問コーナーもあります。(M.S)
『ぼくんち戦争』  村上しいこ 作  たごもりのりこ 絵  ポプラ社  2008年3月
主人公のしいたは小学4年生。年寄り扱いされず自立したい祖父母。ある事がきっかけで母親を信じられなくなった姉。家族の勝手な行動のしわ寄せがすべて自分に来ると感じている母。子どものしいたは、今にも家が爆発してしまいそうな危機感を感じています。 こんなイライラやもやもやはだれでも感じた事があるのではないでしょうか。色々と考えながら読んでしまいました。でも、読後感はスッキリ! おすすめの一冊です。(M.S)

<ティーンズ(中・高生)向き読み物>

『熱風』   福田隆司 作  講談社  2008年2月
作者は、長崎県立鶴南養護学校の教諭。地域のクラブに所属し、テニスに打ち込む、聴覚障害で聾学校に通う中学2年生の孝司と、難治性皮膚疾患を患う中山がダブルスを組み、試合に出場するまでを描いています。 障害に対する周囲の偏見、両親との確執、いじめ、将来への不安など、重たい内容を扱っていますが、二人が、ダブルスペアとしてぶつかり合いながらも次第に打ち解け、助け合い、また、テニスのコーチや練習相手になっている大人たちや聾学校の友人に力づけられながら、人間的にも成長していく姿には感動します。(E.Y)
『あたらしい図鑑』    長薗安浩 著  ゴブリン書房  2008年6月
81歳181センチのムラタさんからの「どうだい、おれと遊ばねえか」との誘いで、偏平足の矯正で野球のできない、13歳141センチの純との3ヶ月間の交流が始まります。もやもやして言葉にならない気持ちをスケッチブックに貼り付けていく「あたらしい図鑑」を作りながら小さな変化を積み重ねていくうちに、純は大きく成長しています。中学生が手に取りそうにない表紙がすごく残念ですが、中学生、特に男の子に読んでほしいと思います。(S.Y)

<研究書>

『季節別・年齢別おはなし会プログラム』    「この本読んで!」編集部 編  読書サポート  2008年6月
対象の年齢や、季節、テーマ別に豊富なプログラムが紹介されています。読む際のポイントや手遊びなども一緒なので、不慣れな初心者には心強いものになりそうです。(M.S)
『本から自然へ 自然から本へ』     京都科学読み物研究会 編  連合出版  2008年6月
私達のごく身近かにある植物、日常見られる動物、あるいは動物園にいる動物についてもう少し詳しく知ろうと思えば、この本は百科事典のように、いろいろのことを教えてくれる。あるいは、気軽に道案内をしてくれる本のように思われます。専門的なものからやさしく解説したものまでいろいろあって、紹介されている本を思わず手にとって見たくなります。また一つ一つの動物についても、例えばかえるに関しての本などは15冊も紹介してあり興味をそそります。色々なことに興味を持たせてくれるすばらしい一冊だと思います。(A.N)

以上です。

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