山口県子ども読書支援センターでは、平成29年度より、「幼稚園・保育園のための子ども読書研修会」を開催しています。令和6・7年度は、県教育委員会と共催で「乳幼児期における読書習慣の定着に向けた研修会」の名称で幼稚園教諭・保育士・保育教諭を対象にした研修会を実施しました。(2年とも県内3カ所で実施) 令和8年度以降はその名称を引継ぎ、幼稚園教諭・保育士・保育教諭を主な対象にした研修会を開催する予定です。
令和8年度は、児童文学作家で山口学芸大学客員教授の 村中 李衣(むらなか りえ)先生を講師にお迎えして、研修会を開催しました。
開催日:令和8年6月20日(土曜日) 13:30~15:30
会場:山口県立山口図書館 第2研修室
講義演題:「日頃の保育のお悩み解決~こんな絵本はどうかしら?~」
参加者:38名 (うち幼稚園教諭・保育士・保育教諭等 27名)
当日の様子
初めに、絵本『ぺんぎんたいそう』(齋藤槇/作 福音館書店)を使った実践がありました。村中先生の声掛けにあわせて受講生全員が「ぺんぎん」になって一緒に体を動かしました。絵本の世界を子どもの気持ちになってみんなで楽しむ体験ができました。他にもたくさんの絵本の紹介と、絵本を使った具体的な事例紹介や実践がありました。受講生からは「現場ですぐに役立つ」「自身の職場でも実践してみたい」などと、とても好評でした。
また、集団向けによく読まれる大型絵本とオリジナル絵本の違いについてのお話もありました。例えば『はらぺこあおむし』(エリック・カール/作 偕成社)は、オリジナル絵本は穴あきのしかけに子どもが自分の指を入れて、自分が物語の主役となって楽しめるが、大型絵本は読み手が主役として演じることになるなどの説明がありました。受講生からは、「絵本の違いを知った上で、子どもや読む場所にあわせて絵本を選ぶことの大切さがわかった。」などの感想が寄せられました。
それから、村中先生が近年取り組まれている「絵本ワーク」のお話がありました。『わたしを旅するなんじゃもんじゃブック』(※)のワークやその実践事例を紹介されました。(※『循環するケアーよろこびやかなしみに立ちあう8つのワーク』(村中李衣・なかじままなぶ編著 ミズノ兎ブックスの別冊ワークブック)
最後に、村中先生が保育士としても長年関わっておられる「こぐま保育園」(山陽小野田市・宇部市)の子どもたちの様子を録画したビデオが、先生のナレーションで上映されました。子どもたちの生き生きとしたありのままの姿に、保育者や保護者が子どもたちの成長に共に「立ちあう」姿勢を大切にしていることが伝わってきました。
研究者として、児童文学作家として、また保育の現場等で、子どもたちに愛情を注ぎ、数多くの実践を重ねておられる村中先生による、温かく実りの多い研修会でした。


