子ども読書支援センターニュース  No.118

                                                                  2014.3.25 

山口県子ども読書支援センター(山口県立山口図書館)発行

                                                      TEL083-924-2111   FAX083-932-2817

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【山口県子ども読書支援センター関連行事】

★幼児のためのおはなし会

○日 時:平成26年4月8日(火) 午前11時~11時20分  ○会 場:山口県立山口図書館 こどもとしょしつ

○対 象:2、3歳児とその保護者  ○内 容:絵本の読み聞かせなど

《3月のおはなし会で使った絵本》

「おかあさんどこ?」(紙芝居) ミスミヨシコ/作・絵 教育画劇 2011

「こちょこちょこちょ」(赤ちゃん絵本) うちだりんたろう・ながのひでこ/作 童心社 1996

「いっしょにあそぼ!」(大型絵本) 田中四郎/作 チャイルド本社 2009

「まり」(赤ちゃん絵本) 谷川俊太郎/文 広瀬弦/絵 クレヨンハウス 2003

「みんなでだいぼうけん」(写真紙芝居) かぜまち/文 教育画劇 2011

【新刊書から】価格は消費税抜き

<絵本-乳幼児から>

『あかあおきいろ デコボコえほん』 グザビエ・ドゥヌ/作 小学館 2014.3 ¥1200

 りんごの赤、夕日のオレンジ、くまの茶色、葉っぱの緑、そして色とりどりの風船…。赤ちゃんが最初に出会う基本的な色が登場する、フランス発の世界的ベストセラー絵本。厚紙でできた各ページがデコボコと飛び出していて、指で触って、かたちを感じながら楽しめる。同じ「デコボコえほん」シリーズとして『かずをかぞえよう!』(小学館)も同時刊行。

<絵本-3,4歳から>

『そとごはん』 ヘレン・オクセンバリー/作・絵 谷川俊太郎/訳 岩崎書店 2014.2 ¥850

ハハが疲れていたので、チチが「今夜は外で食べよう」と、家族でレストランへ。かしこまったウェーターに、お子様椅子が暑苦しい。料理は遅いし、うんざりして遊んでいたら、騒ぎを起こしてしまって…。1980年代に描かれた名作絵本が、谷川俊太郎の新訳で蘇る。柔らかなタッチで、日常の何気ない出来事をユーモラスに切り取って描いた、イギリスの絵本。

『ゆみちゃんとえんぴつさん』 かたおかけいこ/作 たるいしまこ/絵 ひさかたチャイルド 2014.1 ¥1200

お母さんから貰った鉛筆を、大切にしていたゆみちゃん。鉛筆とおはなししながら、毎日絵を描いていたが、ある日、次第に短くなる鉛筆がなくならないよう、使わないと決めて…。なくなる物への愛着を通し、物を大切にする意味を語りかける絵本。かたおかけいこは山口県柳井市生まれ。絵本を読み語る「お話ライブ(MOP47)」を幼稚園、保育園などで行う。

<絵本-5,6歳から>

『オリーブひみつがもぞもぞ』 トール・フリーマン/作 なかがわちひろ/訳 小学館 2014.2 ¥1200

モリーがオリーブに話した、秘密のはなし。「内緒だよ、誰にも言わないでね」と言われたけれど、胸のなかでもぞもぞ。我慢できずに1人に話したら、友だちの間をどんどん伝わっていって…。誰もが経験のある、秘密を守る難しさを、キュートな動物の子どもたちの姿で描きだす、クスッと笑える一冊。イギリスの人気作家による「オリーブ」シリーズ第1作目。

『じしんだ! 子どもをまもる大きな絵本シリーズ 防災』 ラビッツアイ/文・構成 白土あつこ/絵 国崎信江/監修 チャイルド本社 2013.10 ¥12000

みんなの町でも、突然グラグラ…。地震がおきたら、どうする?部屋の中や外では?危ない場所は…?どう対応し、備えればいいのか、災害時に身を守る方法が学べる大型絵本。問いかけやクイズ、しかけ満載で、大勢の子どもたちの前で読める。読み聞かせの手引き付き。シリーズに、防犯『たすけて!』と交通安全『あぶない!』(以上、チャイルド本社)がある。

<絵本-小学校低学年から>

『パパのところへ』 ローレンス・シメル/文 アルバ・マリーナ・リベラ/絵 宇野和美/訳 岩波書店 2014.1 ¥1400

パパが外国に働きに行ってから、1年以上会っていない。日曜日は、家族みんなでパパの電話を楽しみに待つ日。そんなある日、パパが「こっちで一緒に暮らさないか?」って言った。やっとパパに会えると思うと、すごく嬉しい。だけど、よその国にいくのは、ちょっと怖い。友だちはできるかな…。揺れ動く子どもの心情を丁寧に描く、ラテンアメリカの絵本。

<絵本-小学校中学年から>

『槍ケ岳山頂』 川端誠/作 BL出版 2014.2 ¥1600

小学校5年生の僕は、父さんに連れられ北アルプスにやってきた。燕岳と槍ケ岳を2泊3日で縦走し、目指すは槍ケ岳山頂だ。険しい山道に、山小屋で見たご来光、高山植物や人々とのふれあい。激しい雨に打たれ、くじけそうになりながら、急なハシゴを登った先には…。写実的に描かれた、雄大な自然風景が美しい。少年の感動、山の素晴らしさが伝わる一冊。

<読み物-小学校低学年から>

『こねこのレイコは一年生』 ねぎしたかこ/作 にしかわおさむ/絵 のら書店 2014.2 ¥1200

電気屋のご主人に飼われている元気いっぱいな赤さび色のこねこのレイコ。近所の猫たちが学校に入学すると聞いて、かしこいねこになるための「茶畑小学校」に入学することになった。わんぱくなパコ、しっかりもののミュウ、たれ目のヨーイチ、甘えん坊で怖がりやのリクなど、愉快なねこのともだちやトラキチ先生に囲まれて、にぎやかな学校生活が始まる…。作者は調布市立図書館、東京子ども図書館を経て、子どもの本研究所を設立した。

<読み物-小学校中学年から>

『あたらしい子がきて』 岩瀬成子/作 上路ナオ子/絵 岩崎書店 2014.2 ¥1300

みきとるいの姉妹に、けんという弟ができた。しかしお母さんもおばあちゃんもお父さんも、けんのことばかり心配する。弟を素直に受け入れられないみきだが、公園でおじさんと知的障害のあるおばさんの姉弟との出会いなど、様々な人とのかかわりを通して成長し、弟のけんを受け入れていく…。微妙に変化していく心境を、ときにコミカルに、ときにせつなく描き出した作品。作者は岩国市在住で日本児童文学者協会新人賞や日本児童文学者協会賞を受賞している。

<読み物-小学校高学年から>

『さよならのドライブ』 ロディ・ドイル/作 こだまともこ/訳 こがしわかおり/絵 フレーベル館 2014.1 ¥1500

メアリーは学校帰りにトチノキが立ち並ぶ坂道で、古い映画に出てくるようなワンピースを着たふしぎな女の人に出会った。その人は、病院に入院しているおばあちゃんに「だいじょうぶよ」と伝えてほしいと頼む…。子、母、祖母、曾祖母の4世代の女たちの絆を描く、悲しくも心あたたまる物語。作者はアイルランド出身。ブッカー賞を受賞している。

<ノンフィクション-小学校低学年まで>

『時計がわかる本』 矢玉四郎/著 岩崎書店 2014.1 ¥3000

時計の針が指しているのは時間という抽象的なもの。しかも普通のメーターとは違って、針が2本あったり、3本あったりする。時計の読み方がわからない子どものために、短針と長針さらには秒針を分けて読む方法や、10分刻み、15分刻みで読む方法、時計をケーキに見立てる方法など工夫が満載されている。各ページの下部に大人のための解説を、さらに巻末に時計の読み方を教える大人が読むページも収録。

<読み物-中学生から>

『路上のストライカー』 マイケル・ウィリアムズ/作 さくまゆみこ/訳 岩波書店 2013.12  ¥1700

 虐殺を生きのびた15歳のデオは、自閉症の兄の面倒を見ながら、手作りのサッカーボールだけを持って命がけでジンバブエの国境を越える。過酷な運命に翻弄されながらも、南アフリカのストリートサッカーチームの一員としてワールドカップ出場を目指すデオ…。ジンバブエの内戦や南アフリカの外国人差別のなかを力強く生き抜くサッカー少年の物語。STAMP BOOKS。

『不完全な魔法使い 上・下』 マーガレット・マーヒー/著 山田順子/訳 東京創元社 2014.1 各 ¥1900

 「王」と「英雄」が並び立つ王国ホード。その片田舎に生まれた古い民の末裔ヘリオットは、12歳になったある日、頭の奥に隠れていた分身が目覚めたのを知った。その不思議な力ゆえに王都ダイヤモンドで王の魔法使いとなったヘリオットだが…。ニュージーランド生まれの国際アンデルセン賞受賞作家が描く異世界ファンタジー。2009年刊行作品、作者は2012年没。

<ノンフィクション-小学校中学年から>、

『アサーション・トレーニング1 気持ちが伝わるコミュニケーション』 平木典子/監修 汐文社 2014.1 ¥2300

「借りていた本をなくしちゃった。」と友人に言われて、「弁償してくれよ」と言うか、「もう一度いっしょに探してみよう」と言うか、「うーん、困ったな」と言うか。相手の立場に立って話をしっかり聞き、自分の思いをきちんと正直かつ率直に表現するアサーション・トレーニングの方法を解説する。1は、学校におけるアサーションを取り上げる。練習問題、チェックリストも掲載。

『夢のカンキツ清見』 小泉光久/著 吉岡照高/監修 玉城聡/挿絵 汐文社 2014.2 ¥1500

甘く手で皮をむくことができる温州ミカンと、果汁が多く香りのよいオレンジを組み合わせてできた「清見」は、人々の夢がつまった柑橘である。清見からさらに品種改良を重ね、「不知火(デコポン)」や「せとか」などの品種ができた。研究者の努力と、農家の奮闘を描いたノンフィクション。自然界でできた偶発実生といわれる品種として、長門市に原樹が現存する「夏みかん」や、萩市で生まれた「穴門みかん(伊予柑)」についても触れられている。

<ノンフィクション-小学校高学年から>

『世界にほこる日本の先端科学技術 4』 法政大学自然科学センター/監修 こどもくらぶ/編 岩崎書店 2014.2 ¥3000

世界に誇る日本の最先端科学技術シリーズの第4巻で、「宇宙・深海・極地への挑戦!」のサブタイトルがついている。ロケットの革命といわれ、大幅なコストダウンに成功した「イプシロンロケット」や、15カ国が協力して作り上げた国際宇宙ステーションの日本の実験棟「きぼう」、世界最強といわれる深海調査船「しんかい6500」など世界に誇る日本の最先端科学技術を解説する。科学・技術の面白さ、その可能性、裏返しの危険性まで含めて、写真やイラストとともに紹介する。

<ノンフィクション-中学生から>

『医者になりたい君へ   心臓外科医が伝える命の仕事』 須磨久善/著 河出書房新社 2014.1 ¥1200

日本初の難手術「バチスタ手術」を成功させ、5千回以上、心臓の手術をしてきた心臓外科医が、医学の道の厳しさと素晴らしさを伝える。最初に出会った死、初めてのバイパス手術、死と背中合わせの心臓手術の体験から感じた命の大切さや医者としての生き方、考え方を具体的に語る。医師を志す人だけでなく、多くの若者へ読んでほしい一冊。「14歳の世渡り術」シリーズ。

『気ままに漢詩キブン』 足立幸代/編著 三上英司/監修 筑摩書房 2014.2 ¥850

「片思いできゅんきゅんしてるよ」「これ、おいしい~」といった漢詩に込められたキモチやキブンをゆるーく楽しむ本。見開きに一つの漢詩を、原詩・書き下し・注釈・イラスト入りで、女子感覚の現代語訳(翻案)で紹介。難しいイメージの漢詩がぐっと身近に感じられる。ちくまプリマー新書。

<研究書>

『絵本の記憶、子どもの気持ち』 山口雅子/著 福音館書店 2014.1 ¥1000

東京子ども図書館職員としての経験と240人の女子大生のレポートをもとに、子どもたちを夢中にさせた「普遍的な力を持った絵本」を紹介する。子どもがどんな本をどのように受け止め、どんな思い出として心に留めているか、また、絵本がどのような影響を与えたかが垣間見える。書名索引付き。『母の友』掲載を単行本化。

『学びを拓く授業モデル 学校図書館から教育を変える 3』 五十嵐絹子・藤田利江/編著 国土社 2014.2 ¥1900

 「学校図書館から教育を変える」シリーズ第三弾として、学校図書館を「学習の場」として新しい教育を切り拓く試みに果敢に取り組んでいる司書教諭、図書館主任、校長が日常的な授業実践を紹介する。探求的な学習、学び方指導、ブックトーク、リテラチャー・サークル、読書会、アニマシオン、ビブリオバトルなど多様な取組みが参考になる。

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