ふるさと山口文学ギャラリー企画展「宮本常一が見たふるさと」の様子です。

宮本常一(みやもと・つねいち)(1907-1981)は、全国を歩いて庶民の生活をこと細かに記録した民俗学者として知られていますが、自らも山口県周防大島町の農村出身であり、幼少期より身についた農村生活者としての視点と体験を感じさせる著作を多く残しています。

十六才で郷里を離れ、大阪で働きながら天王寺師範学校に学び小学校教員となった宮本が、伝説研究に関心を抱いて雑誌「旅と伝説」に投稿したのも、子どもの頃から慣れ親しんだ故郷・周防大島の民間伝承でした。柳田国男(やなぎた・くにお)、そして生涯にわたり宮本を導くことになる渋沢敬三(しぶさわ・けいぞう)の知遇を得て、民俗学の道に進んだ後も、郷里の島と海、そしてそこに暮らす人々に心を寄せ続けました。

「郷里から広い世界を見る。動く世界を見る。いろいろの問題を考える。私のように生れ育って来た者にとっては、それ以外に自分に納得のいく物の見方はできないのである。足が地についていないと物の見方考え方に定まるところがない。」と宮本は自伝的な著作『民俗学の旅』で書き記しています。その言葉どおり、「郷里の人として生きること」を大切にし、日本全国を旅して培ったまなざしを、終生故郷の島に、また山口県の各地にも注ぎ、文章に書き留めています。

今年は、宮本常一の生誕110年にあたります。これを記念して山口県の人々の暮らしや風景について書かれた著作を中心に、関連する資料を紹介します。

期間:平成29年4月29日(土曜日)~8月30日(水曜日)

場所:山口県立山口図書館 2階 ふるさと山口文学ギャラリー

展示点数:約23点

主催:山口県立山口図書館、やまぐち文学回廊構想推進協議会

展示資料

『周防大島を中心としたる海の生活誌』
宮本 常一著,アチックミューゼアム,1936.07,[当館請求記号:Y382/G 6]
『旅と傳説 第3年第1号(通巻25号)』
三元社,1930.1,[当館請求記号:Y388/G 0]
『旅と傳説 第5年第3号(通巻51号)』
三元社,1932.3,[当館請求記号:Y388/G 2]
『家郷の訓』
宮本常一著,三国書房,1943.7,[当館請求記号:Y384/H 3]
『周防大島昔話集』
宮本 常一編著,大島文化研究連盟,1956.10,[当館請求記号:Y388/I 6]
『瀬戸内海の研究 1』
宮本 常一著,未来社,1965,[当館請求記号:217.4/J 5]
『生命のゆらめき』
宮本 常一著,現代創造社,1981.11,[当館請求記号:Y911.1/L 1]
『宮本常一口承文学論集』
宮本常一著,八坂書房,2014.11,[当館請求記号:Y388/P 4]
『忘れられた日本人』
宮本 常一,未来社,1960.08,[当館請求記号:281/J 0]
『村里を行く』
宮本 常一,三国書房,1943.12,[当館請求記号:380.4/H 3]
『宮本常一著作集 23』
宮本 常一[著],未来社,1979.,[当館請求記号:Y380/J 7]
『日本の離島 第1集』
宮本 常一著,未来社,1960.09,[当館請求記号:291/J 0]
『日本の離島 第2集』
宮本 常一著,未来社,1966,[当館請求記号:291/J 0]
『民具学の提唱』
宮本 常一著,未来社,1979.9,[当館請求記号:R383.9/K 9]
『見島総合学術調査報告』
山口県教育委員会,山口県教育委員会,1964.03,[当館請求記号:Y274/J 4]
『阿武川ダム水没地域民俗資料緊急調査概報 昭和43年度』
山口県教育委員会[編],山口県教育委員会,1969.3,[当館請求記号:Y382/J 9]
『阿武川の民俗』
阿武川ダム民俗資料緊急調査団編,山口県教育委員会,1970,[当館請求記号:Y382/K 0]
『山口炭田の民俗』
山口県教育委員会,1971.03,[当館請求記号:Y567/K 1]
『生見川の民俗』
山口県教育委員会,1972,[当館請求記号:Y382/K 2]
『小瀬川弥栄ダム水没地域民俗資料緊急調査報告』
山口県教育委員会,1974,[当館請求記号:Y382/K 4]
『周防久賀の諸職 1』
久賀町教育委員会編,久賀町教育委員会,1980,[当館請求記号:Y384/L 0]
『周防久賀の諸職 2』
久賀町教育委員会,1981,[当館請求記号:Y384/L 0]
『東和町誌』
宮本常一,岡本定著,東和町,1982.9,[当館請求記号:Y231.1/L 2]

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