宇野千代は、1897〈明治30〉年から1996〈平成8〉年まで、明治・大正・昭和・平成と四代を生きた、山口県岩国市(旧玖珂郡横山村)出身の女性作家です。故郷岩国を出奔したのち『脂粉の顔』(1923〈大正12〉年6月,改造社)で文壇に登場し、尾崎士郎や東郷青児との交流を経て、昭和戦前期には代表作『色ざんげ』(1935〈昭和10〉年4月,中央公論社)を、そしてまた昭和戦後期には、『生きていく私』(1983〈昭和58〉年,毎日新聞社)がベストセラーとなり、多くの読者に愛されました。
今回の展示では、宇野千代の作品のうち『おはん』(1957〈昭和32〉年6月,中央公論社)、『水西書院の娘』(1977〈昭和52〉年3月,中央公論社)などの県内ゆかりの作品を、山口県立山口図書館及び山口県立大学郷土文学資料センターの所蔵資料とパネルにより、展示・紹介します。また、あわせて、ほかの宇野千代の作品や資料についても展示・紹介します。
期間:令和3年1月12日(火曜日)~令和3年4月29日(木曜日)
場所:山口県立山口図書館2階 ふるさと山口文学ギャラリー
主催:山口県立山口図書館・山口県立大学郷土文学資料センター
共催:やまぐち文学回廊構想推進協議会・山口県立大学国際文化学部文化創造学科
展示資料目録
- 「楢崎勤宛宇野千代ハガキ」(昭和十年四月六日付)
- 「木内高音宛宇野千代ハガキ」(年不詳七月二十二日付)
- 「木内高音宛宇野千代ハガキ」(昭和十年四月二十三日付)
- 『わたしの青春物語』
- (酣燈社,1947)
- 『私のお化粧人生史』
- (中央公論社,1955)
- 『私の文学的回想記』
- (中央公論社,1972)
- 『おはん』
- (中央公論社,1957) ※
- 『おはん』
- (中央公論社,1958)
- 『風の音』
- (中央公論社,1969)
- 『風の音』
- (青娥書房,1973) ※
- 『水西書院の娘』
- (中央公論社,1977) ※
- 宇野千代原稿「水西書院の娘」
- 宇野千代原稿「汽車・大雨」
- 『脂粉の顔』
- (改造社,1923)
- 『幸福』
- (金星堂,1924)
- 『罌粟はなぜ紅い』
- (中央公論社,1930)
- 『色ざんげ』
- (中央公論社,1935)
- 『罌粟はなぜ紅い』
- (有光社,1937)
- 『恋愛読本』
- (中央公論社,1937)
- 『恋の手紙』
- (中央公論社,1939)
- 『恋愛特急』
- (興亞書房,1939)
- 『妻の手紙』
- (甲鳥書林,1942)
- 『人形師天狗屋久吉』
- (文軆社,1943)
- 『日露の戦聞書』
- (文體社,1943)
- 『大人の繪本』
- (白泉社,1931) ※
※のある資料は,山口県立図書館の所蔵資料,※のない資料は、山口県立大学郷土文学資料センターの所蔵資料です。