企画展「船戸与一と南条範夫」の展示の様子です。

戦後、高度成長とともに社会の複雑化が進み、マスメディアが発達して大衆文化が花開く中で、多種多様な娯楽作品が求められ、多くの書き手たちが活躍しました。

下関市出身の小説家、船戸与一(ふなど よいち)は、フリーのルポライターとしてノンフィクションや劇画原作を手がけたのち、小説家に転じました。紛争地帯や未開地域への独自取材から生まれる、反骨精神に溢れた長編作品を得意とし、「冒険小説」というジャンルを確立したとも言われる船戸が、昭和19年(1944年)に生まれてから、今年で80年を迎えます。

また、東京出身で旧制山口高校に学び、青春時代を山口で過ごした南条範夫(なんじょう のりお)は、経済学者を本業としながら、生活の足しにするために小説を書き始めました。学者ならではの考証と、独特な歴史観に基づく「残酷もの」と呼ばれた時代小説で一世を風靡した後、多くの作品を途切れることなく書き続けた南条は、平成16年(2004年)に亡くなりますが、今年は彼の没後20年の年でもあります。

今回は、戦後日本の娯楽小説を担った、船戸・南条を中心に、同じく戦後の流行作家であった山口県ゆかりの小説家たちの作品について、展示紹介します。

期間:令和6年8月31日(土曜日)~11月下旬
場所:山口県立山口図書館 2階 ふるさと山口文学ギャラリー
主催:山口県立山口図書館、やまぐち文学回廊構想推進協議会

山口県総合芸術文化祭のロゴマークです。

展示資料目録

反骨の冒険小説作家 船戸与一

『アラスカ・エスキモー』
原田健司[ほか] 著,朝日新聞社,1968.2,請求記号:Y389/J 8
『硬派と宿命』
豊浦志朗 著,世代群評社,1975.4,請求記号:Y915/K 5
『叛アメリカ史』
豊浦志朗 [著],ブロンズ社,1977.11,請求記号:Y915/K 7
『早稲田大学探検部30年史』
早稲田大学探検部OB会部史編集委員会 編集,早稲田大学探検部OB会,1990.4,請求記号:290.91/M 0
『非合法員』
船戸与一 著,徳間書店,1984.2,請求記号:Y/F 89
『山猫の夏』
船戸与一 著,講談社,1984.8,請求記号:Y/F 89
『猛き箱舟 上巻』
船戸与一 著,集英社,1987.4,請求記号:Y/F 89
『猛き箱舟 下巻』
船戸与一 著,集英社,1987.4,請求記号:Y/F 89
『砂のクロニクル』
船戸与一 著,毎日新聞社,1991.11,請求記号:Y/F 89
『蝦夷地別件 上』
船戸与一 著,新潮社,1995.5,請求記号:Y/F 89
『蝦夷地別件 下』
船戸与一 著,新潮社,1995.5,請求記号:Y/F 89
『虹の谷の五月』
船戸与一 著,集英社,2000.5,請求記号:Y/F 89
「AERA」9(38)[448] 「現代の肖像 船戸与一」
朝日新聞社,1996.9,請求記号:R051/L 8
「問題小説」 42(1) 「新・雨月ものがたり」 [連載第1回]」
船戸与一 [著]徳間書店,2008.1,請求記号:Y/F 89
『新・雨月 上』
船戸与一 著,徳間書店,2010.2,請求記号:Y/F 89
『新・雨月 下』
船戸与一 著,徳間書店,2010.2,請求記号:Y/F 89
『満州国演義1 風の風の払暁』
船戸与一 著,新潮社,2007.4,請求記号:Y/F 89
『満州国演義2 事変の夜』
船戸与一 著,新潮社,2007.4,請求記号:Y/F 89
『満州国演義3 群狼の舞』
船戸与一 著,新潮社,2007.12,請求記号:Y/F 89
『満州国演義4 炎の回廊』
船戸与一 著,新潮社,2008.6,請求記号:Y/F 89
『満州国演義5 灰塵の暦』
船戸与一 著,新潮社,2009.1,請求記号:Y/F 89
『満州国演義6 大地の牙』
船戸与一 著,新潮社,2011.4,請求記号:Y/F 89
『満州国演義7 雷の波濤』
船戸与一 著,新潮社,2012.6,請求記号:Y/F 89
『満州国演義8 南冥の雫』
船戸与一 著,新潮社,2013.12,請求記号:Y/F 89
『満州国演義9 残夢の骸』
船戸与一 著,新潮社,2015.2,請求記号:Y/F 89

大衆文芸の巨匠 南条範夫

『灯台鬼』
南条範夫 著,河出書房,1956.8,請求記号:Y/N 48
『月影兵庫聞書抄 上段霞切りの巻』
南条範夫 著,光文社,1959,請求記号:/N 48
『残酷物語』
南条範夫 著,中央公論社,1985.2,請求記号:/N 48
『あやつり組由来記』
南条範夫 著,角川書店,1978.12,請求記号:/N 48
『暁の群像』
南条範夫 著,講談社,1964.3,請求記号:Y/N 48
「中央公論」77(6)「忠君―この残虐なるもの」
南条範夫 [著],中央公論社,1962.6,請求記号:R051/B 7
「諸君!」41(5)「輝ける文士たち 文藝春秋写真館 37」
文藝春秋,2009.5,請求記号:R051/J 9
『考証江戸事典』
南条範夫 編,人物往来社,1964.3,請求記号:R210.5/J 4
『わが恋せし淀君』
南条範夫 著,光文社,1972,請求記号:/N 48
『幾松という女』
南条範夫 著,新潮社,1993.8,請求記号:Y/N 48
『細香日記』
南条範夫 著,講談社,1981.9,請求記号:Y/N 48
『わが鴻南の日々』
,旧制山高六十周年記念事業会,1980.7,請求記号:Y376.7/L 0
「オール読物」59(2) 「乱世」
南条範夫 [著] ,文藝春秋,2004.2,請求記号:R910.5/G 0
「オール読物」55(11) 「執筆五十年、オールと歩みを共にす」
南条範夫 [談] ,文藝春秋,2000.11,請求記号:R910.5/G 0

同時代の流行作家たち

『小説 示談書』
豊田行二 著,春陽堂,1983.10,請求記号:Y/To83
『狂乱廿四孝』
北森鴻 著,東京創元社,1995.9,請求記号:Y/KI67
『花の下にて春死なむ』
北森鴻 著,講談社,1998.11,請求記号:Y/KI67
『もう一つの維新』
奈良本辰也 著,新潮社,1974.12,請求記号:Y289/N 14
『走狗』
古川薫 著,柏書房,1967,請求記号:Y/F 93
『漂泊者のアリア』
古川薫 著,文芸春秋,1990.10,請求記号:Y/F 93

映像化された船戸・南条作品

『若松孝二 海燕ホテル・ブルー』
若松孝二 監修,游学社,2012.3,請求記号:Y778/P 2
『海燕ホテル・ブルー』
船戸与一 著,角川書店,1998.8,請求記号:Y/F 89
『被虐の系譜』
南条範夫 [著],講談社,1974.9,請求記号:/N 48
『元禄太平記 前編』
南条範夫 著,日本放送出版協会,1975.1,請求記号:Y/N 48
『元禄太平記 後編』
南条範夫 著,日本放送出版協会,1975.4,請求記号:Y/N 48

船戸・南条の意外な「作品」たち

『メロス1』
外浦吾朗 作 平野仁 画,双葉社,1982.9,請求記号:Y726/L 2
『メロス2』
外浦吾朗 作 平野仁 画,双葉社,1982.11,請求記号:Y726/L 2
『メロス3』
外浦吾朗 作 平野仁 画,双葉社,1983.1,請求記号:Y726/L 2
『メロス4』
外浦吾朗 作 平野仁 画,双葉社,1983.3,請求記号:Y726/L 2
『棋翁戦てんまつ記』
逢坂剛[ほか] 著,集英社,2018.3,請求記号:Y796/P 8
『日本金融資本論』
古賀英正 著,東洋経済新報社,1957.6,請求記号:338.21/I 7
「エコノミスト」57(33) 「わが二刀流人生」
南条範夫 [著] ,毎日新聞社,1979.8,請求記号:R330.5/F 3

戻る