青木周弼(明治維新人物調べかた案内 No.33)

青木周弼について調べる資料をご紹介します。資料は山口県資料コーナーや明治維新人物ギャラリーの他、書庫内にあります。

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人物紹介

青木周弼(アオキ・シュウスケ)
享和3年(1803)~文久3年(1863)
諱:邦彦、通称:大吉・周祐・周弼、雅号:月橋

幕末の萩藩医。周防大島郡和田村(現 周防大島町)の医家に生まれる。外交官の青木周蔵は、周弼の弟である研蔵の養子にあたる。

文化11年(1814)、能美友庵(のうみ・ゆうあん)・洞庵(とうあん)に漢方医学を学ぶ。天保2年(1831)頃、江戸に赴き坪井信道(つぼい・しんどう)・宇田川榛斎(うだがわ・しんさい)(玄真)の元で蘭法医学およびオランダ語を習得。天保10年(1839)、能美洞庵・坪井信道の推挙により、萩藩に仕える。天保11年(1840)、医学館の創設を主唱し、教授として漢・蘭医学を教え、後に館長となる。嘉永2年(1849)牛痘苗が伝来した際には、主任として藩内に種痘を実施し、天然痘の防止に尽力。コレラ発生時は蘭書を翻訳して処方書を作成し、予防・治療に多大な貢献をした。嘉永4年(1851)御添匙医(侍医)を命じられ、藩主の江戸参勤に付き添い、安政2年(1855)藩主敬親の御側医となる。安政6年(1859)には藩に命じられて『英国志』を翻刻した。

文久3年(1863)、萩の自宅にて病没。享年61歳。

資料紹介

伝記

『青木周弼』(岡原義二著,大空社,1994.2,請求記号:Y289/A 53)
『青木周弼』(青木周弼先生顕彰会 昭和16年発行)の原寸を収録。巻頭に書の影印、巻末に附記『青木研蔵伝』、年譜、索引あり。巻末の解説が簡易な伝記としてまとめられている。
『青木周弼』を県内図書館から探す。
『防長医学史』(田中助一著,聚海書林,1984.9,請求記号:Y490/L 4)
1951、1953年に防長医学史刊行後援会から出版された上下巻を一巻にまとめ、誤植・誤記を訂正したもの。上巻に防長医学史、下巻には医人伝がまとめられており、下巻p297~305に周弼の詳細な伝記が記されている。
『防長医学史』を県内図書館から探す。
『青木周弼の西洋医学校構想』(森川潤著,雄松堂書店,2013.12,請求記号:Y490/P 3)
藩医登用から晩年の西洋医学校構想までの期間の考察。巻末に人名・事項索引あり。
『青木周弼の西洋医学校構想』を県内図書館から探す。
『青木周弼と緒方洪庵』(田中助一著,日本医史学会関西支部,1941.6,請求記号:Y289/A 53)
全6頁の簡易な伝記。館内利用資料。

史料

『萩博物館研究報告 第2号』(萩博物館,2007.3,請求記号:Y069/N 6)
二宮陸雄ほか「史料紹介 坪井信友の青木周弼宛書簡」p(24)~(27)
周弼が江戸の坪井信友(師・坪井信道の長男)に蘭学振興の近況を報告した往信に対する返信。彼らが、医学関連情報等を盛んに交換していたことがわかる貴重な史料。館内利用資料。
『防長医家遺墨集』(山口県医師会,1987.11,請求記号:Y728/L 7)
p58~59に遺墨と人物紹介。
『防長医家遺墨集』を県内図書館から探す。

その他の資料

『益田右衛門介親施』(田中助一著,益田右衛門介親施公百年祭奉賛会,1964.12,請求記号:Y289/Ma66)
p13~16「青木周弼との関係」
『益田右衛門介親施』を県内図書館から探す。
『能美洞庵略伝』(田中助一著,溪水社,1993.7,請求記号:Y289/N 94)
弟子である周弼に関する記述が多々見られ、周弼が死去した際には「哭青周弼」という詩をおくった。
『能美洞庵略伝』を県内図書館から探す。
『江戸時代の医学』(青木歳幸著,吉川弘文館,2012.6,請求記号:490.21/P 2)
p224~226「長州藩の種痘、青木周弼・研蔵」
長州藩における種痘の普及について簡潔に述べられている。
『江戸時代の医学』を県内図書館から探す。

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