船戸与一について調べる(調べ方案内・やまぐちの文学者編 No.013)

作成日:2025年3月22日、公開日:2025年10月18日

船戸与一の作品を読んだり、彼について調べたりするための、基本的な資料をご紹介します。

ここで取り上げた資料は、2階の「ふるさとやまぐち文学ギャラリー」や、「山口県文学」の棚にあります。この他にも、関係する資料があります。くわしくは、カウンターの職員にお尋ねください。

なお、この調べ方案内の印刷用ファイルはこちら(PDF,348KB)です。ダウンロードしてご利用ください。

人物紹介

船戸ふなど与一よいち
生没年:1944-2015 ゆかりの地:下関市 ジャンル:小説

船戸与一(本名:原田建司)は、昭和19年2月8日、下関市に生まれた。早稲田大学法学部に入学、探検部に所属し、危険地帯の歩き方を学ぶ。

卒業後、映像プロダクションを設立、フリーのルポライターとして活躍していたところを講談社の編集者にスカウトされ、『非合法員』を出版する。紛争地帯へ積極的に踏査し、闘う反骨の男たちを描いた船戸は「冒険小説」というジャンルを確立したと評され、様々な文学賞を受賞するに至った。

平成27年4月22日、71歳で死去。

参考文献:『やまぐちの文学者たち 追補版』(やまぐち文学回廊構想推進協議会 編集・発行 2019.3 請求記号:Y910/P 9)

資料紹介

主な資料

『船戸与一と叛史のクロニクル』(小田光雄 著,青弓社,1997,請求記号:Y910/M 7)
デビューから10年の間に出版された作品を中心に論じられた資料。船戸の別名義「豊浦志郎」で出版された作品や、漫画「ゴルゴ13」の原作者として活動した「外浦吾郎」の時代についても記されている。
『船戸与一と叛史のクロニクル』を県内図書館から探す。
『若松孝二 海燕ホテル・ブルー』(若松孝二 監修,游学社,2012,請求記号:Y778/P 2)
船戸の小説『海燕ホテル・ブルー』を映画化した監督、若松孝二との対談が掲載されている。
『若松孝二 海燕ホテル・ブルー』を県内図書館から探す。

船戸の対談が掲載されている資料として『世界は終わりそうにない』(角田光代 著 中央公論新社 2015.5 請求記号:914.6/P 5)p79-88もある。

単行本など

『非合法員』(船戸与一 著,徳間書店,1984,請求記号:Y/F 89)
「船戸与一」の名義で出版された初めての小説。平成27年1月に小学館から出版された同書p479-483には、『非合法員』の執筆時の状況を回想した船戸の特別寄稿「デビュウ事情」が掲載されている。
『非合法員』を県内図書館から探す。
『虹の谷の五月』(船戸与一 著,集英社,2000.05,請求記号:Y/F 89)
第123回直木賞受賞作品。当館には同書の文庫版(船戸与一 著,集英社,請求記号:Y/F 89)も所蔵している。解説付き。
『虹の谷の五月』を県内図書館から探す。

※令和7年3月末現在、船戸には、まとまった形での伝記・全集などは刊行されていない。

研究文献など

“国立国会図書館サーチ”(国立国会図書館)
「検索キーワード」に「船戸与一」や作品名を入力し、「資料種別」を「雑誌」や「雑誌記事等」を選択することで、関連資料が検索できる。例えば、以下のような雑誌がある(いずれも当館所蔵資料)。
「オール読物 55(9)」(文芸春秋,2000.9,請求記号:R910.5/G 0)
『虹の谷の五月』が直木賞受賞した際に出版された雑誌。p30-44には選考時の選評が掲載されている。また、p158-165には船戸の自伝も掲載されている。
「AERA 9(38)通巻448号」(朝日新聞社,1988.6,請求記号:051)
p56-60にインタビュー記事があり、船戸の生い立ちや危険地帯での経験が掲載されている。
“下関市立近代先人顕彰館 田中絹代ぶんか館” (下関市)
下関市出身の女優田中絹代の遺品に加え、船戸や古川薫といった下関市出身の文学者の手記・原稿などを収蔵。文学者に関する特別展示を開催することもある。

このほか、当館ウェブサイトや館内検索機の「なんでも検索」で「船戸与一」と検索すると、関連資料を探せます。

ウェブサイトの最終確認日:2025年10月xx日

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