南条範夫について調べる(調べ方案内・やまぐちの文学者編 No.016)

作成日:2025年10月7日、公開日:2025年10月18日

南条範夫の作品を読んだり、彼について調べたりするための、基本的な資料をご紹介します。

ここで取り上げた資料は、2階の「ふるさとやまぐち文学ギャラリー」、「山口県文学」の本棚や書庫にあります。(当館で所蔵していない資料も紹介しています。)この他にも、関係する資料があります。くわしくは、カウンターの職員にお尋ねください。

なお、この調べ方案内の印刷用ファイルはこちら(PDF,431KB)です。ダウンロードしてご利用ください。

人物紹介

南条なんじょう範夫のりお
生没年:1908-2004 ゆかりの地:山口市 ジャンル:小説・経済学

昭和から平成にかけて活躍した小説家・経済学者。本名、古賀英正。

明治41年11月14日、東京に生まれる。旧制山口高校から東京大学へ進み経済学を学んだ後、満鉄調査部などに勤務、軍属として中国で経済工作に当たる。戦後は、経済学者として國學院大學などに勤めた。

余技として書いた小説が入賞、昭和31年に「灯台鬼」が直木賞を受賞して一躍流行作家となり、亡くなる直前まで膨大な作品を書き続けて、大衆文壇の巨匠と呼ばれた。

平成16年10月30日没、95歳。

参考文献:『やまぐちの文学者たち 追補版』(やまぐち文学回廊構想推進協議会 編集・発行 2019 請求記号:Y910/P 9)

資料紹介

主な伝記

「オール読物」55(11)(文藝春秋,2000,請求記号:R910.5/G 0)
p361-366に南条のインタビュー「執筆五十年、オールと歩みを共にす」を掲載。山口時代の思い出や、作家デビューの頃の様子などが述べられている。館内利用資料。
「オール読物」を県内図書館から探す。
“国立国会図書館デジタルコレクション「国学院経済学」27(3・4)” (国学院大学経済学会 1980)
当館に所蔵がない雑誌。p487-517に「古賀英正・小林義雄両教授に聞く」を掲載。南条(古賀)の戦前の活動や、戦後に学者兼作家となった経緯が語られている。後述のウェブサイト“国立国会図書館デジタルコレクション”で利用できる。
「国学院経済学」を県内図書館から探す。

なお、南条の伝記(単行本)は、この調べ方案内作成時点で未刊行。

作品集など

『灯台鬼』(南条範夫 著,河出書房,1956,請求記号:Y/N 48)
昭和31年(1956年)に刊行された、南条の最初の短編小説集。第35回(1956年上半期)直木賞を受賞した表題作と、受賞以前に書かれた時代小説を収録。館内利用資料だが、同名の文春文庫版は貸出可能。
『灯台鬼』を県内図書館から探す。
『代表作時代小説』(日本文藝家協会 編,光風社出版[ほか],請求記号:N 77)
昭和30年(1955年)から日本文藝家協会が毎年編んでいる時代小説の選集。南条の作品は昭和31年(1956年)度から平成14年(2002年)度まで毎年掲載されており、平成17年(2005年)度版には遺作となった「乱世」が収録されている。当館では、昭和30、34、35、36、37年度版と40年度版以降を所蔵している。
『代表作時代小説』を県内図書館から探す。

研究文献など

『歴史・時代小説の作家たち』(尾崎秀樹 著,講談社,1996,請求記号:910.26/M 6)
文芸評論家による歴史小説・時代小説家の評論集。p216-220に「南條範夫―「残酷物語」ほか」があり、初期作品から残酷もの、商人を主人公とする諸作品、後年の長編小説など、南条の諸作品について簡潔に論じられている。
『歴史・時代小説の作家たち』を県内図書館から探す。
“国立国会図書館デジタルコレクション”(国立国会図書館)
国立国会図書館が所蔵している資料等を電子化して収録しているウェブサイト。多くの資料を全文検索できるため、南条の作品のほか、彼の作品を論じた評論などを広く探すことができる。
「大衆文学研究」2005年(1)(大衆文学研究会,2005)
当館未所蔵の雑誌。南条没後の追悼特集として、縄田一男「南條範夫論 その追悼と作品」、「南條範夫略年譜・映画化作品リスト」等を掲載。国立国会図書館等に所蔵がある。

このほか、当館ウェブサイトや館内の蔵書検索機の「なんでも検索」で「南条範夫」と入力して検索すると、関係する資料を幅広く探せます。

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