西田幾多郎について調べる(調べ方案内・やまぐちの文学者編No.018)

作成日:2025年10月29日、公開日:2025年11月4日

西田幾多郎の作品を読んだり、彼について調べたりするための、基本的な資料をご紹介します。

ここで取り上げた資料は2階の「山口県文学」、「人文と社会のフロア」などの本棚にあります。

この他にも、関係する資料があります。くわしくは、カウンターの職員にお尋ねください。

なお、この調べ方案内の印刷用ファイルはこちら(PDF,316KB)です。ダウンロードしてご利用ください。

人物紹介

西田にしだ幾多郎きたろう
生没年:1870-1945、ゆかりの地:山口市、ジャンル:哲学・評論

戦前に活躍した、日本を代表する哲学者の一人。

明治3年5月19日、石川県河北郡宇ノ気村(現かほく市)に生まれる。第四高等学校を中退後、東京帝国大学で哲学を学ぶ。卒業後は石川に戻るが、離婚と免職を経験、恩師の招きにより山口高等学校の講師となり、2年弱を山口で過ごす。

山口を離れたのち、母校第四高等学校や京都帝国大学で教え、日本人の手になる初の独自の哲学書とされる『善の研究』を刊行するなど、独特な「西田哲学」を確立した。

昭和20年6月7日、死去。75歳。

参考文献:『やまぐちの文学者たち 追補版』(やまぐち文学回廊構想推進協議会 編集・発行 2019 請求記号:Y910/P 9)

資料紹介

主な伝記

『人間・西田幾多郎』(藤田 正勝 著,岩波書店,2020,請求記号:Y121/Q 0)
西田の全集の編集に携わった研究者による詳細な伝記。巻末に参考文献、略年譜あり。
『人間・西田幾多郎』を県内図書館から探す。
『祖父 西田幾多郎』『祖父西田幾多郎 続』(上田久 著,南窓社,1978 1983,請求記号:121.9/K 8)
西田の孫による伝記。親族ならではの挿話が多く含まれている。正編が『善の研究』の刊行まで、続編が没するまでを対象としている。
『祖父 西田幾多郎』を県内図書館から探す。
『山口の西田幾多郎』(横田 理博 著,電気通信大学,2015,請求記号:Y121/P 5)
「電気通信大学紀要」(27)1に掲載された論文の抜き刷り。山口時代の西田の住居、生活、著作などについて詳しく論じている。
『山口の西田幾多郎』を県内図書館から探す。

作品集など

『善の研究 ワイド版岩波文庫』(西田 幾多郎 著,岩波書店,2012,請求記号:121.63/P 2)
西田の主著『善の研究』を比較的大きな活字で読むことができる。難解とされる『善の研究』には解説書も多いが、比較的平易なものとして、例えば『善の研究 西田幾多郎 NHK「100分de名著」ブックス』(若松英輔 著,NHK出版,2025,請求記号:121.63/Q 5)などがある。
『ワイド版岩波文庫 善の研究』を県内図書館から探す。
『西田幾多郎全集 新版 全25巻』(西田 幾多郎 著,岩波書店,2002-2020,請求記号:R121.6/N 2)
西田の全集の新版。第1巻から第10巻までは単行本として出されたもの、第11巻以降は小篇、講演、講義ノート、日記、書簡などを収録。第24巻には、総目次索引、人名・書名索引、年譜などがある。
『西田幾多郎全集』を県内図書館から探す。

研究文献など

“日本哲学史専修ウェブサイト 西田幾多郎”(京都大学大学院文学研究科・文学部)
日本における代表的な哲学者らを紹介したウェブページのうち、西田を紹介したもの。略歴のほか、主な著作や基本的な解説書、最近の研究動向がわかる資料などが挙げられている。
“国立国会図書館サーチ”(国立国会図書館)
国立国会図書館、都道府県立・政令指定都市立図書館、大学図書館などの蔵書や、雑誌記事、デジタル化資料などを広く検索できるウェブサイト。西田に関する資料を広く探すことができる。

文学館・史跡など

“西田幾多郎旧宅”(山口市)
山口滞在時に西田が下宿した建物で、「山口西田読書会」の活動場所ともなっている。このほか、西田の生地に建てられた記念館として“石川県西田幾多郎記念哲学館”(石川県かほく市)がある。

このほか、当館ウェブサイトや館内の蔵書検索機の「なんでも検索」で「西田幾多郎」と入力して検索すると、関係する資料を幅広く探せます。

ウェブサイトの最終確認日:2025年11月4日

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