白石正一郎(明治維新人物調べ方案内 No.24)

白石正一郎について調べる資料をご紹介します。資料は山口県資料コーナーや明治維新人物ギャラリーの他、書庫内にあります。

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人物紹介

白石正一郎(シライシ・ショウイチロウ)
文化9年(1812)~明治10年(1877)
諱:資方・資興・資風、号:橘園、通称:駒吉・熊之助・正一郎

白石正一郎は、回船問屋小倉屋の当主・白石卯兵衛(うへえ)資陽(すけあき)の長男として、長州藩の支藩・清末藩領の竹崎で生まれる。

38歳で家業と大年寄を継ぎ、商人として多くの富を築くかたわら、国学をたしなむ。42歳の時に国学者・鈴木重胤(すずき・しげたね)に入門、尊王攘夷を信奉して、攘夷志士を庇護しその活動を支援。文久3年(1863)高杉晋作(たかすぎ・しんさく)が奇兵隊を創設したのもその邸内で、自ら入隊し会計方となる。以後家財が傾くまで尊攘運動に尽力したが、維新後は商売からも身を引き、招魂場の奉仕や赤間神宮宮司を務めるなどして過ごす。明治13年(1880)自宅にて没。享年68歳。

資料紹介

日記、書簡などを読む

「白石正一郎日記」(『維新日乗纂輯 1』日本史籍協会編 マツノ書店 2014)所収 請求記号Y215.8/P 4
原本は、大正14年日本史籍協会刊行。正一郎自筆の『日記中摘要下書(日記草稿)』を底本としている。白石正一郎の日記で現存するものには三種類あり、『日記原本』と原本から正一郎自身が要点を抄出してまとめた『日記中摘要』とその下書きである『日記中摘要下書(日記草稿)』がある。『日記中摘要下書(日記草稿)』は安政5年(1858)正月から明治10年(1877)10月までの記事を収める。『日記中摘要』と比べ記載量が少なめ。
『白石正一郎日記』(下関郷土資料2)(下関市市史編纂委員会校訂 下関市役所 1959 請求記号Y289/Sh82
『日記中摘要』を底本として、『日記中摘要』にない部分を『維新日乗纂輯』版の「日記」で補足して刊行。安政4年(1857)から明治4年(1871)までの記事と、明治5年(1872)の記事を収める。
『白石家文書』(下関市教育委員会編 下関市教育委員会 1968 請求記号Y289/Sh82
明治百年記念事業として刊行。系譜、日記(正一郎日記と弟・廉作の日記)、書簡(正一郎と廉作の書簡)、詩歌(正一郎・父母の歌集、弟の詩歌)を収める。正一郎日記は、『白石正一郎日記』(下関市役所 1959)版を底本として、誤植等を訂正したものを収録している。
『白石家文書 補遺』(下関市教育委員会編 下関市教育委員会 1989 請求記号Y289/Sh82
昭和62年(1987)に一部分が発見された日記原本、妻・加寿子の日記、『諸控帳』ほか諸記録を収録。正一郎日記は『日記原本』『日記中摘要』『日記草稿』を収め、安政2年(1855)から明治13年(1880)までの記事が見られる。

生涯をたどる

『白石正一郎と幕末の下関』(下関市立長府博物館編 下関市立長府博物館 1999 請求記号Y289/Sh82
長府博物館の企画展に出品された白石家と同家の関連資料を紹介した図録。正一郎の遺墨や収集品、白石家文書の図版を収録。正一郎の略伝を記した「白石正一郎と幕末の下関」(町田一仁)を収める。

【伝記】

『幕末の豪商志士・白石正一郎』(中原雅夫著 三一書房 1970 請求記号Y289/Sh82)
『白石正一郎日記』(下関市役所 1959)の刊行に関わった著者がまとめた評伝。中山忠光、平野次郎、高杉晋作などの人物との関わりを中心に記されている。
『奇兵隊士列伝 1』(萩ものがたり Vol.37)(一坂太郎著 萩ものがたり 2013 請求記号Y215.8/P 3)(p25-34 白石正一郎 伝説化した馬関商人)
新たな視点からの白石正一郎像を紹介した略伝。
『渦潮の底 白石正一郎とその一族』(冨成博著 右文書院 2015 請求記号Y289/Sh82)
白石正一郎とその係累の白石家についてまとめた伝記。
『きらり山口人物伝 Vol.9 夢チャレンジ』(夢チャレンジ出版事業刊行委員会制作 山口県ひとづくり財団 2016 請求記号Y280/N 7)(p48-65 白石正一郎)
子ども向けにまとめられた白石正一郎の略伝。年表やゆかりの史跡紹介あり。
『維新の商人 語り出す白石正一郎日記』(古川薫著 毎日新聞出版 2017 請求記号Y289/Sh82)
『日記中摘要』を元に正一郎と彼と関わりのあった人々の維新史をまとめた伝記。

【その他】

『白石正一郎の神道信仰 桜山招魂社創建を巡って』(山口県神道史研究 第14号 抜刷)(津田勉著 2002 請求記号Y175/N 2)
白石正一郎が創建に関与した桜山招魂社(のちの桜山神社)の成り立ちと、正一郎自身の信仰についてまとめられた論文。

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