昭和を代表する女優・田中絹代は、明治42(1909)年、下関市に生まれました。幼い頃から筑前琵琶の手ほどきを受け、大阪の少女琵琶歌劇団の一員として舞台にも立っていた絹代は、14歳で憧れの映画の世界に飛び込みます。大部屋女優として出発した絹代でしたが、可憐な娘役で人気となり、次第に看板女優としての地位を確立していきます。
昭和13(1938)年に公開された主演映画『愛染(あいぜん)かつら』は、戦前の日本映画最大のヒットとなり、戦後も多くの名監督たちとコンビを組み、67歳で亡くなるまでの生涯に、約250本の映画に出演しました。晩年の作品では、ベルリン国際映画祭最優秀女優賞を受賞するなど、国内ばかりでなく海外でもその演技は高く評価されています。
また、女性映画監督の草分けとして、『恋文』をはじめとする6作品を監督するなどまさに映画ひとすじの人生でした。今年2月には出身地の下関市に「田中絹代ぶんか館」が開館し、映画を愛する人々によって、その姿は語り継がれています。
今回の展示では、女優田中絹代の生涯をたどりながら、日本映画の歴史を振り返ります。
- 場所:山口県立山口図書館 2F展示コーナー
- 展示期間:平成22年2月27日(土曜日)~平成22年4月29日(木曜日)
- 展示資料:約50冊
関係資料目録
書名 | 著者名 | 出版者 | 出版年 | 請求記号 |
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私の履歴書 文化人13「田中絹代」 | 日本経済新聞社 編 | 日本経済新聞社 | 1984.4 | R281.04 L 3 |
小説 田中絹代 | 新藤 兼人 著 | 読売新聞社 | 1983.2 | Y SH62 |
花も嵐も | 古川 薫 著 | 文芸春秋 | 2002.2 | Y F 93 |
田中絹代の世界 | 田中絹代メモリアル実行委員会 | 1999.11 | Y778 M 9 | |
NFCニューズレター 第15巻第4号通巻87号「特集:生誕百年 映画女優 田中絹代」 | 東京国立近代美術館フィルムセンター | 東京国立近代美術館 | R778 M 5 | |
名女優 | 早田 雄二 撮影 | 平凡社 | 2000.6 | 778.3 N 0 |
キネマ旬報 「追悼・田中絹代」 | キネマ旬報社 | 1977.5 | R778 E 8 | |
婦人公論 第62巻第6号 「田中絹代に仕えて45年」 | 中央公論社 | 1977.6 | R051 E 6 |
書名 | 著者名 | 出版者 | 出版年 | 請求記号 |
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活動狂時代 | 児玉 数男 著 | 三一書房 | 1967 | 778.2 J 7 |
松竹百十年史 | 松竹 編 | 松竹 | 2006.2 | R778.19 N 6 |
全国に於ける活動写真状況調査 大正10年 | 文部省普通学務局 編 | 1921 | R778 F 1 | |
日活四十年史 | 坂本 正 編集 | 日活 | 1952.9 | R778.19 I 2 |
昭和日本映画史 | 毎日新聞社 | 1977 | R778.21 K 7 | |
明治~昭和初期俳優名鑑集成 第8巻 | ゆまに書房 | 2005.8 | R770.8 N 5 | |
明治~昭和初期俳優名鑑集成 第10巻 | ゆまに書房 | 2005.8 | R770.8 N 5 | |
よみがえる幻の名作日本無声映画篇 | 無声映画鑑賞会 編 | アーバン・コネクションズ | 2003.1 | 778.21 N 3 |
書名 | 著者名 | 出版者 | 出版年 | 請求記号 |
---|---|---|---|---|
日本映画シナリオ古典全集 「マダムと女房」1~4卷 | キネマ旬報社 | 1966 | R778.5 J 5 | |
プログラム映画史 | 日本映画テレビプロデューサー協会 編 | 日本放送出版協会 | 1978.4 | R778.19 K 8 |
「愛染かつら」とニッポン人 | 鈴木 和年 著 | 情報センター出版局 | 1984.12 | 778.21 L 4 |
田中絹代 | 石割 平 編・著 | ワイズ出版 | 2008.7 | Y778 N 8 |
スタイル 第4巻第9号 「アベック評論田中絹代」 | 宇野 千代 編輯 | 臨川書店 | 2003.4 | R593 N 3 |
新興キネマ | 佐藤 忠男 ほか編 | 山路ふみ子文化財団 | 1993.3 | R778.21 M 3 |
愛のかたち | 文化庁芸術祭執行委員会 編 | 文化庁芸術祭執行委員会 | 1996. | R778.21 M 6 |
映画旬報 第32巻 | 牧野 守 監修 | ゆまに書房 | 2004.1 | R778.21 N 4 |
書名 | 著者名 | 出版者 | 出版年 | 請求記号 |
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日本映画ポスター集大映時代劇篇 | ワイズ出版 | 2000.12 | R778.21 N 0 | |
溝口健二の世界 | 佐藤 忠男 著 | 筑摩書房 | 1982.1 | 778.3 L 2 |
国際映画祭への招待 | 村川 英 著 | 丸善 | 1995.5 | 778.2 M 5 |
アサヒグラフ 1953年11月11日号 「おんな監督誕生」 | 朝日新聞社 | 1953 | ||
放送文化 第25第4号 「この道ひとすじ」 | 日本放送協会 | R699 H 6 | ||
さらば、テレビジョン | 倉本 聡 著 | 理論社 | 1991.4 | 778.8 M 1 |
書名 | 著者名 | 出版者 | 出版年 | 請求記号 |
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NFCニューズレター 第6巻第3号通巻31号 「偉大なる“K”(1)小林正樹」 | 東京国立近代美術館フィルムセンター | 東京国立近代美術館 | R778 M 5 | |
NFCニューズレター 第9巻第5号通巻52号 「特集:小津安二郎と清水宏」 | 東京国立近代美術館フィルムセンター | 東京国立近代美術館 | R778 M 5 | |
監督 小津安二郎 | 蓮実 重彦 著 | 筑摩書房 | 1983.3 | 778.3 L 3 |
日本映画40年 | 毎日新聞社 | 1986.3 | R778.21 L 6 | |
映画監督溝口健二 | 山口 猛 編 | 平凡社 | 1998.5 | R778.3 M 8 |
成瀬巳喜男の設計 | 中古 智 著 | 筑摩書房 | 1990.6 | 778.21 M 0 |
木下恵介の映画 | 佐藤 忠男 著 | 芳賀書店 | 1984.12 | R778.21 L 4 |
映画の深い河 | 熊井 啓 著 | 近代文芸社 | 1996.3 | 778.21 M 6 |
大系黒沢明 第1巻 | 黒沢 明 著 | 講談社 | 2009.10 | 778.3 N 9 |
聞き書きキネマの青春 | 岩本 憲児 編著 | リブロポート | 1988.11 | 778.21 L 8 |
書名 | 著者名 | 出版者 | 出版年 | 請求記号 |
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新選名著複刻全集近代文学館[33] 伊豆の踊子 | 名著複刻全集編集委員会 編集 | 日本近代文学館 | 1982 | R918.6 K 0 |
精選名著複刻全集近代文学館[29] 春琴抄 | 名著複刻全集編集委員会 編集 | 日本近代文学館 | 1983 | R918.6 K 2 |
愛染かつら | 川口 松太郎 著 | 講談社 | 1968.7 | KA92 |
対訳西鶴全集 3 好色五人女,好色一代女 | 麻生磯次,富士昭雄 編著 | 明治書院 | 1974 | R918.5 K 4 |
楢山節考 | 深澤 七郎 著 | 中央公論社 | 1957.2 | F 73 |
三婆 | 有吉 佐和子 著 | 新潮社 | 1978 | A 78 |
樅ノ木は残った 上巻 | 山本 周五郎 著 | 新潮社 | 1981 | Y 31 |
樅ノ木は残った 下巻 | 山本 周五郎 著 | 新潮社 | 1981 | Y 31 |
書名 | 著者名 | 出版者 | 出版年 | 請求記号 |
---|---|---|---|---|
目で見る下関・豊浦の100年 | 郷土出版社 | 1998.11 | Y267 M 8 | |
田中絹代の世界 | 田中絹代メモリアル実行委員会 | 1999.11 | Y778 M 9 | |
083 通巻3号 「風の正体 下関が生んだスターたち」 | 下関市 | Y267 N 7 | ||
しものせき・人・物語 1 | 絹の道の会 編 | 先人顕彰絹の道の会 | 1999.11 | Y280 M 9 |
ぷちふりしゅ 第24巻 | フリッシュ | 2005 | Y051 N 5 | |
木暮実千代 | 黒川 鍾信 著 | 日本放送出版協会 | 2007.5 | Y778 N 7 |
書名 | 著者名 | 出版者 | 出版年 | 請求記号 |
---|---|---|---|---|
日活五十年史 | 日活 | 日活 | 1962.9 | R778.21 J 2 |
松竹百年史本史 | 松竹 | 1996.11 | R778.19 M 6 | |
松竹百年史演劇資料 | 松竹 | 1996.11 | R778.19 M 6 | |
松竹百年史映像資料・各種資料・年表 | 松竹 | 1996.11 | R778.19 M 6 | |
日本映画史100年 | 四方田 犬彦 著 | 集英社 | 2000.3 | 778.21 N 0 |
日本映画史 全4巻 | 佐藤 忠男 著 | 岩波書店 | 2006.10 | 778.21 N 6 |
松竹映画の栄光と崩壊 | 升本 喜年 著 | 平凡社 | 1988.4 | R778.21 L 8 |
記事タイトル | 誌名 | 巻号 | 該当ページ | 請求記号 |
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アベック評論 田中絹代 (丹羽文雄) | スタイル(復刻) | 1925 | p.75 | R593 N 3 |
グラビア 大船映画「鼻唄お嬢さん」 | 週刊朝日 | 1938.1.9 | 巻末 | |
グラビア 誌上映画 出發 | サンデー毎日 | 1938.4.10 | p.34 | |
表紙 田中絹代 | 週刊朝日 | 1938.6.26 | 表紙 | |
おんな監督誕生 | アサヒグラフ | 1953.11.11 | p.16 | |
五社協定と私 | 婦人公論 | 1954.12 | p.142 | |
わたしたちの人間宣言 田中絹代 山田五十鈴 高峰秀子 | 文藝春秋 | 1957.4 | p.196-207 | R051 F 3 |
この道ひとすじ 田中絹代 | 放送文化 | 1970.4 | p.26 | R699 H 6 |
グラビア 懐しの大女優復活 田中絹代、三益愛子、木暮実千代 | 週刊読売 | 1974.3.9 | 巻頭 | |
対談 映画女優50年 はじめて演じるごうつくババア(荻昌弘 田中絹代) | サンデー毎日 | 1974.4.14 | p.46-49 | |
ひと 映画生活50年、バージンならぬ”婆仁”のひと | 週刊朝日 | 1974.6.21 | p.16-17 | |
対談 忍耐を忘れた女たちへ(山崎朋子 田中絹代) | 婦人公論 | 1974.12 | p.231-237 | R051 E 6 |
インタビュー 女優50年(田中絹代 熊井啓) | 文藝春秋 | 1975.3 | p.192-202 | R051 F 3 |
昭和史を生きた女優 田中絹代の死 | 週刊新潮 | 1977.3.31 | p.13 | |
三人の監督が語る 人間田中絹代のこんな一面 | 週刊朝日 | 1977.4.8 | p.42 | |
独身田中絹代の隠されたロマンス (池田敦子) | 週刊読売 | 1977.4.9 | p.168-172 | |
グラビア しみじみと日本の女を演じて半世紀 | 週刊読売 | 1977.4.9 | 巻末 | |
合掌 あえてお見舞いしなかったのは (熊井啓) | サンデー毎日 | 1977.4.10 | p.133 | |
田中絹代の「勲三等」 | 週刊新潮 | 1977.4.14 | p.13 | |
記念館に落ち着きそうな、田中絹代の豪邸 | 週刊読売 | 1977.4.16 | p.128 | |
追悼 田中絹代-その人と作品- | キネマ旬報 | 1977.5.1 | p.109 | R778 E 8 |
田中絹代に仕えて45年 (中摩新吉) | 婦人公論 | 1977.6 | p.216 | R051 E 6 |
れくいえむ 田中絹代 (阿奈井文彦) | 文藝春秋 | 1977.7 | p.160-168 | R051 F 3 |
田中絹代さんの墓 (山崎朋子) | 婦人公論 | 1978.3 | p.75-76 | R051 E 6 |
田中絹代先生のこと (笠間シヅ子) | 文藝春秋 | 1980.2 | p.417 | R051 F 3 |
連載小説 田中絹代 | 週刊読売 | 1982.3.10~8.29 | ||
〈タウン〉いま暴露される「田中絹代の醜聞人生」 | 週刊新潮 | 1983.2.17 | p.12 | |
「小説田中絹代」で赤裸々にされた大女優の秘められた愛欲と孤独 | 週刊読売 | 1983.3.27 | p.201-203 | |
書評 新刊ピックアップ 真実の造型「小説田中絹代」(白井佳夫) | 文藝春秋 | 1983.4 | p.271 | R051 F 3 |
田中絹代と彼女を演じる秋吉久美子の似ている部分 | 週刊読売 | 1984.1.29 | p.14 | |
美しき日本人50の肖像 田中絹代「西鶴一代女」を不朽にした女優の捨身 (新藤兼人) | 文藝春秋 | 1995.8 | p.205-207 | R051 F 3 |
田中絹代、渡米時の16ミリ映像発見される | キネマ旬報 | 2003.2.15 | p.237 | |
没後30年「田中絹代」の付き人が初めて明かす「大女優の素顔」(歌代幸子) | 週刊新潮 | 2007.3.29 | p.56-60 |
関連サイト・ページ
- 下関市立近代先人顕彰館 田中絹代ぶんか館(下関市)
- 田中絹代ほか、下関市ゆかりの先人たちを紹介する記念館のページです。