幕末の開国、そして明治維新を経て、日本社会へ西洋文明が浸透するとともに、西洋式の建造物が次々作られていきました。建築を担ったのは当初は明治政府が招いた外国人技師いわゆる「御雇外国人」でしたが、明治9年に設置された工部大学校の美術学校で、イギリスの建築家コンドルが建築専門教育の担当者となると、その指導のもと、西洋の建築様式を学んだ辰野金吾、片山東熊ら日本人建築家が育っていきます。彼らコンドルの弟子たちは第一世代の日本人建築家として、明治を代表する建築作品を残し、また建築家という職能を日本の社会に広めていきました。
今回の展示では、日本近代建築が本格的に歩み始めた明治期の建築家たちとその作品を当館所蔵資料により御紹介します。
場所:山口県立山口図書館 2F展示コーナー
展示期間:平成29年7月29日(土曜日)~9月28日(木曜日)
展示資料
日本西洋建築の父
- 『コンドルのディテール』
- 桑名市博物館編集,桑名市博物館,2012.10,[当館請求記号:523.156/P 2]
- 『近代日本建築史』
- 大泉博一郎執筆,日本図書センター,2011.7,[当館請求記号:523.1/P 1]
日本建築界の礎 辰野金吾
- 『東京百建築』
- 黒田鵬心編輯,不二出版,2008.11,[当館請求記号:521.6/N 8]
- 『辰野記念日本銀行建築譜』
- 辰野金吾,武田勝之助,1928.12,[当館請求記号:Q525.1/F 8]
- 『日本の様式建築』
- 新建築編集部編,新建築社,1977,[当館請求記号:Q521.6/K 7]
宮廷建築家 片山東熊
- 『図面でみる都市建築の明治』
- 鈴木博之編集,柏書房,1990.4,[当館請求記号:Q521.6/M 0]
- 『明治大正昭和建築写真聚覧』
- 藤井恵介編,文生書院,2012.2,[当館請求記号:523.1/P 2]
- 『鳳闕』
- 上野竹次郎編,公文書院,1924.09,[当館請求記号:Q288.45/F 4]
- 『皇宮』
- 田中逸堂編纂,大日本皇道奉賛會,1932.05,[当館請求記号:Q288.45/G 2]
- 『迎賓館 赤坂離宮』
- 高橋清見編,毎日新聞社,1975,[当館請求記号:Q526.2/K 5]