資料展示「明治期創刊の雑誌の様子です。

展示資料は、昭和58年に中谷易一(なかたによういち)氏(山口市出身)より当館に寄贈いただいた明治期の雑誌で、『中谷文庫』として保管している資料の一部です。中谷氏からはこのほかに、明治・大正期に発行された文学書の初版本などを寄贈いただいています。また、寄贈資料のうち単行本についての解題書として『中谷文庫』(中谷易一 著・発行 1991年出版)があります。

場所:山口県立山口図書館 2F展示コーナー

期間:平成24年5月14日(火曜日)~5月30日(水曜日)

展示資料の紹介

『こゝろの花』の表紙です。

『こゝろの花』明治31(1898)年創刊,竹柏会出版部発行短歌雑誌歌人の佐々木信綱が明治29年に創刊した機関誌「いささ川」を改題引き継いだ雑誌。

発行所の「竹柏会」は、信綱の号「竹柏園」にちなむ。創刊号は「こゝろの華発行所」発行。

展示資料:第9巻第4[明治38(1905)年4月発行]

『少年世界』の表紙です。

『少年世界』明治28(1895)年創刊,博文館発行児童向け雑誌明治の中頃、日清日露戦争を機に躍進をとげ、日本最大の出版社として多くの雑誌を出版した博文館の児童向け雑誌。明治・大正期を代表する児童文学作家の巌谷小波が編集を担当。展示資料:第9巻第14号[明治36(1903)年11月発行]

『白樺』の表紙です。

『白樺』明治43(1910)年創刊,博文館発行文芸雑誌武者小路実篤、志賀直哉、有島武郎らによって創刊された文芸雑誌。多くの画家たちも参加し、ヨーロッパ美術の紹介など美術雑誌の要素も持っていた。展示資料:第1巻第2号[明治43(1910)年発行]展示資料:第10周年記念号[大正8(1919)年4月発行]

『女学世界』の表紙です。

『女学世界』明治34(1901)年創刊,博文館発行女性向け総合雑誌『女学新誌』(明治17年創刊)、『女学雑誌』(明治18年創刊)などについで発行された女性向けの総合雑誌。博文館編集局員であった大町桂月をはじめ「帝国文学」派と呼ばれる人々の活躍の場となる。小説では巌谷小波などの作品を掲載。展示資料:第7巻第11号[明治40(1907)年8月発行]

『新古文林』の表紙です。

『新古文林』明治38(1905)年創刊,独歩社発行文芸雑誌「佳き者は新古を問わず佳なり」という発刊の辞にあるように、新旧の小説・随筆・詩歌などを収める。編集人は国木田哲夫(独歩)。国木田独歩は作家として作品を発表する一方、編集者としても活躍、雑誌『婦人画報』も創刊している。展示資料:第2巻第12号[明治39(1906)年10月発行]

『新小説』の表紙です。

『新小説』明治22(1889)年創刊,春陽堂発行文芸雑誌新作小説と新人の登用を掲げて創刊された文芸雑誌。創刊時は幸田露伴が編集人となり、その後鈴木三重吉、芥川龍之介、菊池寛らが顧問として関係する。田山花袋の作品『蒲団』は、明治40年9月号の同誌に発表された。展示資料:第16年第7巻[明治44(1911)年7月発行]

『ハガキ文学』の表紙です。

『ハガキ文学』明治37(1904)年創刊,日本葉書会発行文芸・趣味雑誌明治37年代に逓信省から発行された日露戦争絵葉書が人気を集め、趣味として絵葉書を収集する人々が増えていくなかで創刊された雑誌。ハガキに書ける短編文学を採録するほか、絵葉書の紹介、投稿欄などで構成されている。展示資料:第3巻第6号[明治39(1906)年5月発行]

『帝国文学』の表紙です。

『帝国文学』明治28(1895)年創刊,大日本図書発行文芸雑誌東京帝国大学文科大学の教官や学生、卒業生などで結成された帝国文学会が編集した雑誌。論説、国内外の文芸思潮の紹介など会員相互が編集に携わった。夏目漱石の『坊ちゃん』に登場する赤シャツも愛読した雑誌。展示資料:第12巻第1号[明治39(1906)年1月発行]

『手紙雑誌』の表紙です。

『手紙雑誌』明治37(1904)年創刊,有楽社発行文芸・趣味雑誌古今の著名人の書簡を紹介するほか、手紙・郵便に関する随筆や逸話などを収録した趣味的な雑誌。写真を数多く掲載し、名筆家の筆跡を鑑賞することができる雑誌という一面も持つ。展示資料:第4巻第14号[明治40(1907)年4月発行]

『中学世界』の表紙です。

『中学世界』明治31(1898)年創刊,博文館発行青少年向け受験・投稿雑誌主として中学生向け読み物を掲載。発行は、創設以来多くの雑誌を手がけた博文館。文芸雑誌の色合いは薄いが、各方面の専門家が文章を寄せている。年3回程度臨時増刊号を発行。当時の作家たちの作品も掲載された。展示資料 :  第9巻第1号   [明治39(1906)年1月発行]展示資料 :  第15巻第14号  [大正元(1912)年10月発行]

『太陽』の表紙です。

『太陽』明治28(1895)年創刊,博文館発行総合雑誌明治20年の創設以来多くの雑誌を創刊していた博文館は、当時発行していた雑誌13種を統合整理し、『太陽』『少年世界』『文芸倶楽部』の3種に集約。『太陽』は日本発の「総合雑誌」として、昭和3年2月に廃刊となるまで、関東大震災による休刊1回を除いて全531巻を発行した。展示資料:第3巻第12号[明治30(1897)年6月発行]展示資料:第25巻第8号[大正8(1919)年6月発行]

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