1912年7月 に明治から大正に改元されてから、満100年になりました。大正時代と言えば、第一次世界大戦(1914-1918)、関東大震災(1923)、大正デモクラシーなどの言葉が浮かんできます。この世相の中で、日本人はどのような本を読んでいたのでしょうか。
大正時代のベストセラーを所蔵資料の中から紹介します。
(参考文献)
『本の百年史 ベスト・セラーの今昔』、瀬沼茂樹著、出版ニュース社、1965
『日本出版文化史』岡野他家夫、原書房、1981
『日本近代文学大事典』1-6日本近代文学館編、講談社、1977-78
『コンサイス日本人名事典』第5版、三省堂編修所編、三省堂、2009
『現代日本朝日人物事典』、朝日新聞社編・刊、1990
場所:山口県立山口図書館 2F展示コーナー
期間:平成24年9月1日(土曜日)~10月30日(火曜日)
資料紹介
- 『地上 第一部』
- 島田 清次郎∥著 、 黒色戦線社 、 1986.04 、[当館請求記号: /SH36 ]
- 『地上 第二部』
- 島田 清次郎∥著 、 黒色戦線社 、 1986.04 、[当館請求記号: /SH36 ]
- 『地上 第三部』
- 島田 清次郎∥著 、 黒色戦線社 、 1986.04 、[当館請求記号: /SH36 ]
- 『地上 第四部』
- 島田 清次郎∥著 、 黒色戦線社 、 1986.04 、[当館請求記号: /SH36 ]
- 第1~4部。初版は大正8年~大正10年、新潮社刊。貧しい環境に育った天才的な少年が、学校や社会に反抗し、野望に燃えて人生の遍歴をつづけるという物語。自分を英雄化した半自伝的小説。第一次世界大戦後の大正デモクラシーの気運に合致して、若い読者を中心に人気を得た。
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- 国立国会図書館デジタル化資料で読む→『地上 第1部』(新潮社、1919)(別ウィンドウ)、『地上 第2部』(新潮社、1920)(別ウィンドウ)
- 『死線を越えて 中卷』
- 賀川 豊彦∥著 、 改造社 、 1921.12 、[当館請求記号: /KA17 ]
- 神戸新川での貧民街体験を下に描かれた自伝小説。雑誌「改造」に連載された後、大正9年、改造社から刊行、一年たらずの間に二百版を重ね、ついに三百版となり、大正期最大のベストセラーとなった。展示本は、三部作の一冊。
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- 国立国会図書館デジタル化資料で読む→『死線を越えて 上巻』(改造社、1920)(別ウィンドウ)、『死線を越えて 中巻』(改造社、1922)(別ウィンドウ)、『死線を越えて 下巻』(改造社、1924)(別ウィンドウ)
- 『出家とその弟子』
- 倉田 百三∥著 、 岩波書店 、 1927.03 、[当館請求記号: /KU56 ]
- 大正6年6月岩波書店刊の戯曲。親鸞と彼をめぐる人々を描く近代日本の代表的な宗教文学。この作品で、カリエスで郷里に入院中であった青年は一躍全国に知られるようになった。大正3年に創立された岩波書店の初期のベストセラーの第一とも言われる。
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- 国立国会図書館デジタル化資料で読む→『出家とその弟子』(岩波書店、1921)(別ウィンドウ)
- 『海のロマンス』
- 米窪 太刀雄∥著 、 誠文堂書店 、 1914.02 、[当館請求記号: /Y 83 ]
- 大正3年初版。訓練航海で世界一周をした大成丸の世界周航記事で、後に出た『マドロスの悲哀』とともに若者に盛んに読まれた。
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- 国立国会図書館デジタル化資料で読む→『海のロマンス』(誠文堂書店[ほか]、1914)(別ウィンドウ)
- 『善の研究』
- 西田 幾多郎∥著 、 岩波書店 、 1921.05 、[当館請求記号: 121.9/F 1 ]
- 明治44年に弘道館から出版されていたが、大正10年3月、岩波書店から再刊されてからめざましい売れ行きを示した。当時の哲学青年の哲学入門書として好評を博した。
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- 国立国会図書館デジタル化資料で読む→『善の研究』(弘道館、1911)(別ウィンドウ)
- 『人間親鸞』
- 石丸 梧平∥著 、 藏經書院 、 1922.05 、[当館請求記号: /I 77 ]
- 一部は「山を下りた親鸞」として東京朝日新聞に連載された後、大正11年1月1日付で刊行され、2月10日には15版が出ている。
- 『近代の恋愛観』
- 厨川 白村∥著 、 改造社 、 1923 、[当館請求記号: 152.1/F 3 ]
- 評論集。初出は「大阪朝日新聞」。大正11年10月、改造社刊。文芸にみられる性と恋愛の展開を追い、『ラブ』・イズ・ベスト」を提唱、インテリ層の男女間に人気を博した。
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- 国立国会図書館デジタル化資料で読む→『近代の恋愛観』(改造社、1922)(別ウィンドウ)
- 『三太郎の日記 第貳』
- 阿部 次郎∥(著) 、 岩波書店 、 1915.02 、[当館請求記号: /A 12 ]
- 感想評論集。第一が大正3年4月東雲堂、第二が4年6月岩波書店から出版、さらに『合本三太郎の日記』として7年6月岩波書店から出版された。
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- 国立国会図書館デジタル化資料で読む→『三太郎の日記 合本』(岩波書店、1948)(別ウィンドウ)
- 『大正大震災大火災』
- 大日本雄辯會講談社∥編纂 、 大日本雄辯會・講談社 、 1923.10 、[当館請求記号: 369.31/F 3 ]
- 大正12年9月の関東大震災の灰燼の中から、同年10月に出版された。講談社の社史によると60万部も出たベストセラー。
- 『小鳥の來る日』
- 吉田 絃二郎∥著 、 新潮社 、 1921.07 、[当館請求記号: /Y 86 ]
- 大正10年7月、新潮社刊。30編を収録した随筆感想集。 二百版を重ね、大正から昭和にかけて一時代を劃した。
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- 国立国会図書館デジタル化資料で読む→『小鳥の來る日』(新潮社、1921)(別ウィンドウ)