明治維新人物ギャラリー資料展示「馬関戦争」のポスターです。

馬関戦争とそれに関わる人物について書かれた資料をご紹介します。

期間:平成26年8月12日(火)~平成26年9月28日(日)

馬関戦争(ばかんせんそう)

元治元年(1864)8月、下関はイギリス・フランス・アメリカ・オランダの4ヵ国からなる連合艦隊の攻撃を受けました。当時下関は馬関(ばかん)、赤間関(あかまがせき)などとも称されており、この戦いも馬関戦争、下関戦争、四国連合艦隊下関砲撃事件などと呼ばれます。

この砲撃の前年、文久3年(1863)5月10日の攘夷期限を受け、長州藩は関門海峡を通過する外国船(米・仏・蘭)への砲撃を行いました。その後、米・仏艦の報復攻撃や被害国を中心とした幕府への抗議が行われましたが、海峡は封鎖された状態で各国の貿易が滞るようになります。列強の圧倒的軍事力を示しこの状況を打開するため、イギリスが中心となり四国連合を成立、総勢17隻の艦隊が下関に向かうこととなります。

イギリス密留学中に藩の攘夷実行を知り急遽帰国した井上聞多(馨)、伊藤俊輔(博文)は、この戦いを回避するため調停に努めましたが成功せず、元治元年8月5日、ついに戦闘が開始されます。大きな被害を受けた長州側は8日に休戦交渉を申し入れ、交渉の正使に当時謹慎中の高杉晋作を起用しました。

西洋の近代兵器の威力を目の当たりにしたこの戦いは、長州藩における慶応期軍制改革の伏線となりました。

展示資料

書名 著者名 出版者 出版年 請求記号
描かれた幕末明治 イラストレイテッド・ロンドン・ニュース 編 雄松堂書店 1973 Q210.58/K 4
赤間関海戦紀事 水交社 水交社 1909 Y215.8/D 9

『The Illustrated London News』は、イギリスで発行された週刊の絵入り新聞です。『描かれた幕末明治』は、1853年(嘉永6)から1902年(明治35)までの間に同紙に掲載された日本関係の記事と插絵を拾い集め、そのほとんどすべてを翻訳しています。

「赤間関海戦紀事」は、最初、明治23年(1890)の『水交社記事』号外として発行されました。水交社は明治9年(1876)に創設された旧日本海軍将校の研究・親睦機関で、『水交社記事』はその機関誌です。
今回の展示資料は、明治42年(1909)6月号に再版として収録されたものです。文久3年(1863)の外国船砲撃から元治元年(1864)の四国連合艦隊との戦いを経て和議を講ずるまでを、日本側だけでなく外国側の資料も取り入れてまとめています。
「赤間関海戦紀事」の本文は『幕末長州藩の攘夷戦争』(古川薫著 中央公論 1996)、『資料幕末馬関戦争』(下関文書館編 三一書房 1971)、『郷土』第7集(下関郷土会 1964)にも収録されています。
また、明治23年発行のものはデジタル化され、国立国会図書館ホームページで見ることができます。

国立国会図書館デジタル化資料(最終確認日 2014.08.10)

関連資料

書名 著者名 出版者 出版年 請求記号
山口県史 史料編 幕末維新7 山口県編集 山口県 2014.6 Y211/M 6
資料幕末馬関戦争 下関文書館 編 三一書房 1971.3 Y267/K 1
幕末長州藩の攘夷戦争 古川薫 著 中央公論社 1996.01 Y215.8/M 6
攘夷戦長州砲始末 清永唯夫 著 1984.08 215.8/L 4
前田・回顧120年 下関市前田東部自治会 1984.8 Y215.8/L 4
激動の長州藩 山口県立山口博物館 編 山口県立博物館 1990.7 Y215.8/M 0
わが長州砲流離譚 古川薫 著 毎日新聞社 2006.9 Y215.8/N 6
防長回天史 6 末松謙澄 著 マツノ書店 2009.9 Y215.8/N 9
幕末日本と対外戦争の危機 保谷徹 著 吉川弘文館 2010.2 Y215.8/P 0
前田茶臼山遺跡 石井龍彦 編著 山口県教育委員会 2003.03 Y267/N 3
下関・維新物語 清永唯夫 著 新日本教育図書 2004.8 Y267/N 4
長州の科学技術 第3号 幕末長州科学技術史研究会 編 幕末長州科学技術史研究会 2008.10 Y402/N 3
「近代を開いた江戸のモノづくり-幕末の地域ネットワークと近代化の諸相」報告書 萩博物館 [編] 萩博物館 2006.3 Y402/N 6
黒船と幕末動乱 双葉社 2010.1 210.59/P 0
伊藤井上二元老直話 維新風雲録 末松謙澄 編 マツノ書店 1994.09 Y215.8/M 4
井上馨 堀雅昭 著 弦書房 2013.5 Y289/I 57
伊藤博文 古川薫 著 小峰書店 2007.3 Y289/I 89
伊藤博文の青年時代 泉三郎 [著] 祥伝社 2011.6 Y289/I 89
高杉晋作 一坂太郎 著 文芸春秋 2002.03 Y289/Ta54/N 2
高杉晋作と奇兵隊 青山忠正 著 吉川弘文館 2007.1 Y289/Ta54/N 7
週刊名将の決断 NO.29 童門冬二 監修 朝日新聞出版 2009.10 Y289/Ta54/N 9
月刊高杉晋作総集編 ザメディアジョン 2009.12 Y289/Ta54/N 9
一外交官の見た明治維新 上 アーネスト・サトウ 著 岩波書店 1968 R210.58/N 1
アーネスト・サトウ 古川薫 著 小峰書店 2005.10 Y215.8/N 5
遠い崖 2 萩原延寿 著 朝日新聞社 1998.10 210.58/M 8
フランス士官の下関海戦記 アルフレッド・ルサン 著 新人物往来社 1987. Y215.9/L 7
イラストレイテド・ロンドンニュース 45b The Illustrated London News刊行会 編集 柏書房 2003.5 Q073.3/M 7
レンズが撮らえたF・ベアトの幕末 F.ベアト [撮影] 山川出版社 2012.11 210.58/P 2

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