日本における西洋音楽のはじまりの一つは、幕末の軍楽にありました。
今回は、県文書館の第13回中国・四国地区アーカイブズウィーク(明治150年特別企画)「文書館レキシノオト-「音」で読み解く防長の歴史-」にちなんで、当館所蔵の『長門練兵場蔵板 活板散兵教練書』に収録された「散兵合図鼓譜」と、幕末の軍楽に関する資料を展示・紹介します。
展示期間:平成30年6月1日(金曜日)~6月28日(木曜日)
展示資料
展示ケース内の資料
- 『活版散兵教練書』
- [1866],当館請求記号:Y396/A
- 『散兵教練書』は、長州藩が散兵戦術の訓練のために出版したもの。散兵戦術の解説書である「散兵教練」、隊の配置や動きを図示した「附録散兵略解」、太鼓の奏法譜である「散兵合図鼓譜」からなる。
- この資料は、WEB版明治維新資料室に収録されており、インターネット上で閲覧できます。WEB版明治維新資料室『活版散兵教練書』はこちらです。
- 『海軍歴史 巻4 5』
- 勝安芳 記,海軍省,1889,当館請求記号:W397/B 9
- 『海軍歴史』は、幕末期の徳川幕府による海軍創設の沿革を、軍艦奉行であった勝海舟が編述したもの。ここでは、オランダ東洋艦隊所属の軍艦スームビング号で行われた西洋式軍事訓練の様子として、号令に太鼓が使われていたことが描写されている。
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- 参考文献
- 『国史大辞典 第3巻 か』「海軍歴史」の項(国史大辞典編集委員会 編,吉川弘文館,1983.2,当館請求記号:R210.03/K 9)p30
- 『日本の洋楽 1』(大森盛太郎 著,新門出版社,1986.12,当館請求記号:R762.1/L 6)p21-22
借りることができる資料
『活板散兵教練書』と「散兵合図鼓譜」に関する資料
- 『長門練兵場蔵板 活板散兵教練書』
- 三宅紹宣 著,[山口県],2008.3,当館請求記号:Y396/N 8
- 『洋学者・石井修三著作集』
- 石井修三 [著],羽衣出版,2014.5,当館請求記号:081.5/P 4
幕末期の軍楽に関する資料
- 『防長吹奏楽史』
- 梶田清七 著,梶田清七,1989.01,当館請求記号:Y762/L 9
- 『勝海舟全集 12』
- 江藤淳・勝部真長 編集,勁草書房,1971,当館請求記号:081.6/K 0
- 『長崎海軍伝習所の日々』
- ファン・カッティンデーケ 著,平凡社,1964.09,当館請求記号:210.59/J 4
- 『幕末の奇跡』
- 松尾龍之介 著,弦書房,2015.7,当館請求記号:210.59/P 5
- 『黒船来航と音楽』
- 笠原潔 著,吉川弘文館,2001.6,当館請求記号:762.1/N 1
- 『洋楽導入者の軌跡』
- 中村理平 著,刀水書房,1993.2,当館請求記号:R762.1/M 3
- 『十九世紀の日本における西洋音楽の受容』
- 塚原康子 著,多賀出版,1993.02,当館請求記号:R762.1/M 3
- 『和洋折衷音楽史』
- 奥中康人 著,春秋社,2014.5,当館請求記号:762.1/P 4
- 『幕末鼓笛隊』
- 奥中康人 著,大阪大学出版会,2012.11,当館請求記号:762.1/P 2
- 『幕末百話』
- 篠田鉱造 著,岩波書店,1996.4,当館請求記号:210.58/M 6