明治維新人物ギャラリー資料展示「『粟の煮る間に』」の展示の様子です。

幕末の不穏な世相を風刺と諧謔で活写した「瓦版」は、当時の雰囲気を伝える重要な資料です。

今回の展示では、山口商工会議所主催の「山口お宝展」に協賛して、当館の貴重資料である幕末期の瓦版「粟の煮る間に」を展示します。あわせて、瓦版に関する資料や、幕末明治期の風俗等が分かる資料も展示・貸出します。

展示期間:平成30年9月29日(土曜日)~10月30日(火曜日)

展示資料

展示ケース内の資料

『幕末諷刺木版摺「粟の煮る間に」』
[1865],当館請求記号:V726
幕末期に刷られた瓦版の一つで、粟を煮ているわずかな間に居眠りをした大阪の「松岳山人」が見た夢を描いた風刺画。この瓦版自体には印刷年は書かれていないが、「去年の冬ホンえらい目に」「寄せくる敵を口先で追ちらしたる」とあり、外国人を追いかける「ふく」(長州藩)、中央の大菊(朝廷)、丸に十字の紋をつけた男(薩摩藩)が小菊を振りかざしている絵などが描かれていることから、元治元年(1864年)の第一次長州征討を始めとして、大政奉還が間近に迫る混乱の世相を諷刺したものと考えられている。(参考資料:『おおさか図像学』(北川央 編著,東方出版,2005.8,当館請求記号:216.3/N 5))
この資料は、WEB版明治維新資料室に収録されており、インターネット上で閲覧できます。WEB版明治維新資料室『幕末諷刺木版摺「粟の煮る間に」』はこちらです。
『舊幕府 一』
戸川 安宅 編,マツノ書店,2003.2,当館請求記号:R210.58/N 3
旧幕臣、戸川安宅(残花)によって刊行された雑誌を復刻したもの。「舊幕府」は明治30年(1897年)4月から毎月刊行され、同34年(1901年)8月の第5巻第7号まで、計48冊刊行された。明治維新以降、忘却あるいは過小評価されがちであった江戸幕府の時代の史実と価値を再度明らかにすることを意図して、さまざまな史料や論考などが掲載された。復刻にあたって、目次等が付されている。

借りることができる資料

瓦版などに関する資料

『瓦版にみる幕末大坂の事件史・災害史』
大阪城天守閣 編集,大阪城天守閣,2011.3,当館請求記号:216.3/P 1
『おおさか図像学』
北川央 編著,東方出版,2005.8,当館請求記号:216.3/N 5
『諷刺眼維新変革』
奈倉哲三 著,校倉書房,2004.12,当館請求記号:R910.25/N 4
『江戸の瓦版』
森田健司 著,洋泉社,2017.7,当館請求記号:070.21/P 7
『かわら版物語』
小野 秀雄,雄山閣出版,1960.12,当館請求記号:R070.21/J 0
『もう一つの近代』
M.ウィリアム・スティール 著,ぺりかん社,1998.10,当館請求記号:210.58/M 8
『幕末明治新聞ことはじめ』
奥武則 著,朝日新聞出版,2016.12,当館請求記号:070.21/P 6
『古地図が語る大災害』
本渡章 著,創元社,2014.12,当館請求記号:216/P 4
『江戸の風評被害』
鈴木浩三 著,筑摩書房,2013.5,当館請求記号:332.105/P 3
『風刺漫画で日本近代史がわかる本』
湯本豪一 著,草思社,2011.11,当館請求記号:210.6/P 1
『文明開化がやって来た』
林丈二 著,柏書房,2016.10,当館請求記号:210.6/P 6

幕末の世相に関する資料

『図説黒船の時代』
黒船館 編,河出書房新社,1995.4,当館請求記号:R210.58/M 5
『元治夢物語』
馬場文英 著,岩波書店,2008.12,当館請求記号:210.58/N 8
『ええじゃないか』
渡辺和敏 著,あるむ,2001.3,当館請求記号:R210.58/N 1
『絵で見る幕末日本 [正]』
エメェ・アンベール [著],講談社,2004.9,当館請求記号:R291.09/N 4
『絵で見る幕末日本 続』
エメェ・アンベール [著],講談社,2006.7,当館請求記号:R291.09/N 4
『絵が語る知らなかった幕末明治のくらし事典』
本田豊 著,遊子館,2012.3,当館請求記号:210.6/P 2

幕末の大阪に関する資料

『維新開化と都市大阪』
小田康徳 著,清文堂出版,2001.10,当館請求記号:R216.3/N 1
『近世大坂の町と人』
脇田修 著,吉川弘文館,2015.4,当館請求記号:216.3/P 5
『大坂 民衆の近世史』
塚田孝 著,筑摩書房,2017.12,当館請求記号:216.3/P 7

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