明治維新人物ギャラリー資料展示「流行り病と闘う」の展示の様子です。

新型コロナウィルスが世界的に流行していますが、治療法のない感染症として恐れられながらも、医師・研究者の活躍により撲滅にまで至った病気として、天然痘があります。

今回は、天然痘と、その予防(種痘)にかかわった幕末の医師たちについての資料を展示・紹介します。

展示期間:令和2年5月29日(金曜日)~令和2年7月30日(木曜日)

展示資料

ケース内資料

「治痘新局」
久坂玄機 訳,『防長医家遺墨集』(山口県医師会 編集,山口県医師会,1987.11,Y728/L 7)収録
久坂玄機(くさか げんき)が訳した種痘の医学書。嘉永2年(1849年)、赤川玄悦(あかがわ げんえつ)、青木周弼(あおき しゅうすけ)とともに、引痘掛(いんとうがかり)を命じられた際に、翻訳したものとされる。原本は、萩博物館が所蔵。なお、『防長医家遺墨集』は、県医師会の創立百周年を記念して、県立山口博物館で行われた「防長医家遺墨展覧会」の解説書。
『柳井種痘日記』
熊谷秋雨 著,岩国徴古館,1979.2,Y493/K 9
「柳井種痘日記」は、岩国藩の医師、熊谷秋雨(くまがい しゅうう)による種痘の記録。岩国藩では、萩本藩に倣って嘉永2年(1849年)に種痘所を設置し、種痘接種を行った。この日記は、安政6年(1859年)から翌年2月まで、熊谷が柳井地区の種痘医として域内の種痘を担当したときの様子を日誌に記したもの。原本は岩国徴古館が所蔵。本書は、「周防岩国産物目録」と合わせて翻刻・出版された。

借りることができる資料

幕末長州藩の医師たちに関する資料

『青木周弼』
岡原義二 著,大空社,1994.2,Y289/A 53
『青木周弼の西洋医学校構想』
森川潤 著,雄松堂書店,2013.12,Y490/P 3
『維新の礎士 久坂玄機 玄瑞兄弟』
岡崎兵衛 著,岡崎 兵衛,1996.08,Y289/KU82
『防長医学史』
田中助一 著,聚海書林,1984.9,Y490/L 4
『幕末防長儒医の研究』
亀田一邦 著,知泉書館,2006.10,Y490/N 6

天然痘とその予防に関する資料

『天然痘との闘い』
青木歳幸 編,岩田書院,2018.6,493.82/P 8
『天然痘に立ち向かった人類の戦い』
伊東貞三 著,医学出版社,2013.5,493.82/P 3
『大阪の除痘館』
加藤四郎[ほか] 監修,緒方洪庵記念財団除痘館記念資料室,2013.4,493.82/P 3
『種痘伝来』
アン・ジャネッタ [著],岩波書店,2013.12,493.82/P 3
『近代医学の先駆者』
山内一也 著,岩波書店,2015.1,493.82/P 5
『緒方洪庵の「除痘館記録」を読み解く』
加藤四郎[ほか] 監修,思文閣出版,2015.6,493.82/P 5
『種痘という<衛生>』
香西豊子 著,東京大学出版会,2019.12,493.82/P 9
『天然痘根絶史』
深瀬泰旦 著,思文閣出版,2002.9,493.87/N 2

戻る