明治維新人物ギャラリー資料展示「蘭方医・青木周弼」展示の様子です。

青木周弼 あおきしゅうすけ (1803-1864)は周防大島出身の幕末の医学者です。

郷土の医学者能美(のうみ)家で学んだ後、大阪、江戸、長崎などで蘭学を学び、萩藩医として召し抱えられます。藩の医学校にあたる「好生館(のちに好生堂)」の講師となるほか、当時流行していた天然痘やコレラの治療に活躍しました。藩主・毛利敬親(もうりたかちか)の侍医としても知られています。

青木周弼の生誕220年にちなんで、青木周弼についてのほか、日本の医学史や蘭学、関連する人物についての資料をご紹介します。

展示期間:令和4年12月1日(木曜日)~令和5年1月26日(木曜日)

展示資料

ケース内資料

『英國志 1』
慕維廉 ウィルレム ∥著,温知社,1861,当館請求記号:W233/A
イギリス人の宣教師ウィリアム・ミュアヘッドが漢訳した、トーマス・ミルナーの著作『大英国志』の写本。安政6(1859)年、藩命を受けた青木は、幕府の許可を得て翻刻を始める。のちに青木は萩の医学所・好生堂出仕となったため、 山県半蔵 やまがたはんぞう (1829-1901)と 能美隆庵 のうみりゅうあん (1825-1890)が翻刻作業を引き継ぎ、文久元(1861)年に刊行。日本で初めて出版されたまとまったイギリス史とされる。

◆この資料は、当館web版明治維新資料室で閲覧できます。


『防長医家遺墨集』
山口県医師会∥編集,山口県医師会,1987.11,当館請求記号:Y728/L 7
山口県医師会により明治期以前の県内医家の遺墨を展示した際の展示品。青木は交友が広く、筆まめであったが、書簡や遺墨は現在散逸している。 なお、「紛紛五代亂離間……」の漢詩は、中国・北宋の思想家であった 邵雍 しょうよう (1011-1077)が書いた「観盛化吟」をもとに、『水滸伝』中で紹介されているものと同一。邵雍が独自の壮大な歴史観で、戦乱の五代十国時代を経て、宋代の天下の平安をうたった詩とされる。

借りることができる資料

『青木周弼』
岡原 義二∥著,大空社,1994.02,当館請求記号:Y289/A 53
『青木周弼の西洋医学校構想』
森川/潤‖著,雄松堂書店,2013.12,当館請求記号:Y490/P 3
『防長医学史』
田中 助一∥著,聚海書林,1984.9,当館請求記号:Y490/L 4
『幕末期長州藩洋学史の研究』
小川/亜弥子∥著,思文閣出版,1998.2,当館請求記号:Y402/M 8
『天然痘との闘い 2』
青木/歳幸‖編,岩田書院,2021.3,当館請求記号:493.82/P 8
『医界風土記 中国・四国篇』
日本医師会‖編集,思文閣出版,1994.8,当館請求記号:490.21/M 4
『全国医薬史蹟ガイド』
山川/浩司‖編著,薬事日報社,2004.10,当館請求記号:490.21/N 4
『日本医療史』
新村/拓‖編,吉川弘文館,2006.8,当館請求記号:490.21/N 6
『江戸時代の医学』
青木/歳幸‖著,吉川弘文館,2012.6,当館請求記号:490.21/P 2
『蘭学の時代』
赤木 昭夫∥著,中央公論社,1980.12,当館請求記号:402.159/L 0
『おらんだ正月』
森 銑三∥著,富山房,1978,当館請求記号:402.15/L 9
『図説オランダの歴史』
佐藤/弘幸‖著,河出書房新社,2012.4,当館請求記号:235.9/P 2
『宮本常一著作集 41』
宮本/常一‖著,未來社,1997.3,当館請求記号:Y380/K 2
『青木周蔵』
森川/潤‖著,丸善出版,2018.6,当館請求記号:Y289/A 53
『大村益次郎』
竹本/知行∥著,萩ものがたり,2022.4,当館請求記号:Y289/O 64
『青木周弼・研蔵・周蔵の足跡』
尾野/栄明∥編著,尾野栄明,2021.3,当館請求記号:Y288/Q 1
※この資料は禁帯出のため、ご利用は閲覧のみとなります。

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