「毛利両公及キング之肖像」(山口県文書館所蔵)

慶応2年12月29日(1687年2月3日)、防府市三田尻で、萩藩主毛利敬親、イギリス艦隊キング提督らが会談し、それぞれ相手方をもてなしあいました。その時のメニューが記録に残っています。

令和6年12月2日から令和7年3月31日まで、当館は臨時閉館していますので、今回の展示では、インターネット上で利用できるものを中心に、饗応の様子やメニューを記した資料などをご紹介します。

展示資料

『防長回天史 第5篇下(第9)』
末松謙澄 著,末松春彦,1921,“国立国会図書館デジタルコレクション”
慶応2年12月29日から30日にかけて、イギリスのキング提督と、長州藩主毛利敬親とその子元徳、岩国藩主吉川経幹が会見を行いました。
29日は長州藩側が、30日はイギリス側がそれぞれ相手をもてなしましたが、その時のメニューなどが「英国人三田尻渡来一件」(山口県文書館所蔵)として記録に残されているほか、長州藩の幕末維新史をまとめた『防長回天史』にも記載されています。
長州藩側のメニューには、吸いもの、湯引きした鯛、焼鳥と野菜の盛り合わせなどが、イギリス側のメニューには、豆のスープや羊肉のシチュー、ローストビーフなどが並んでおり、それぞれ相手を精いっぱいもてなそうとしたものと思われます。
長州藩とイギリスは、かつては下関戦争で戦った敵同士でしたが、この会見は滞りなく終わり、両者の友好関係が示されることになりました。
参考文献:『山口県史 通史編 幕末維新』(山口県 編集,山口県,2019.12)p703-705

“国立国会図書館デジタルコレクション”の『防長回天史 第5篇下(第9)』から、該当するページをご紹介します。画像は、該当するページへのリンクになっています。

毛利敬親とキング提督らと会談する際の記述です。
毛利側の饗応メニューが書かれた部分です。
毛利側の饗応メニューの続きです。
翌日、英艦隊側がもてなした際のメニューです。
英艦隊側の饗応メニューの続きです。

関係資料紹介

『萩藩毛利家の食と暮らし』
江後迪子 著,つくばね舎,2005.3,当館請求記号:Y383/N 5
『遠い崖 4 アーネスト・サトウ日記抄』
萩原延寿 著,朝日新聞社,1999.3,当館請求記号:210.58/M 8
『名君毛利敬親』
小山良昌 著,萩ものがたり,2017.4,当館請求記号:Y289/Mo45
『忠正公勤王事績』
中原邦平 著,マツノ書店,2008.3,当館請求記号:Y289/Mo45
『激動の幕末長州藩主 毛利敬親』
山田稔 編集,ミュージアム・タウン・ヤマグチ実行委員会,2018.7,当館請求記号:Y289/Mo45
『幕末の英君 毛利敬親』
毛利博物館 編,毛利博物館,2012.3,当館請求記号:Y289/Mo45

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