明治維新人物ギャラリー資料展示「伊藤博文と金沢文庫」

伊藤博文と金沢文庫

金沢文庫は鎌倉時代の中ごろ、北条氏の一族・北条実時(ほうじょう さねとき)によって集められた和漢の書物を納めた文庫（現、横浜市金沢区）に始まるとされます。創設の時期ははっきりとしませんが、武家の文庫として代々北条氏に受け継がれ、蔵書の充実が図られました。蔵書の内容は政治・歴史・文学と多岐にわたり、北条氏滅亡後は菩提寺である称名寺(しょうみょうじ)に引き継がれましたが、寺の衰退にともない多くの図書が持ち出され散逸してしまいました。

明治に入り文庫復興を懇願された伊藤博文は、横浜の生糸貿易商・平沼専蔵(ひらぬませんぞう)に寄附を持ちかけ、明治30年（1955）に文庫が再建されました。金沢の地は、博文が大日本帝国憲法の草案（夏島草案）を起草したゆかりの場所であり、博文が所蔵していた憲法関係資料は、再興された金沢文庫に寄贈されました。残念ながらこの建物は関東大震災により被災し、その後解体されましたが、伊藤博文の憲法関連資料は現在も大切に保管されています。

さらに文庫は昭和5年（1930）に県立の施設として新たに建築された後、平成2年（1990）新築移転し、現在は神奈川県立金沢文庫として鎌倉時代の貴重な資料を中心に、多くの文化財等を収蔵展示しています。

展示関係資料目録目次

• 展示資料
• 金沢文庫関連資料
• 伊藤博文関連資料