磯永秀雄について調べる(調べ方案内・やまぐちの文学者編 No.006)

作成日:2023年3月31日、公開日:2024年3月27日

礒永秀雄の作品を読んだり、彼について調べたりするための、基本的な資料をご紹介します。

ここで取り上げた資料は、2階の「山口県文学」の棚や書庫の中にあります。

この他にも、関係する資料があります。くわしくは、カウンターの職員にお尋ねください。

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人物紹介

礒永いそなが秀雄ひでお
生没年:1921-1976、ゆかりの地:光市、ジャンル:詩

詩人。戦後から詩を、また詩劇、童話、評論など多彩な作品を発表。山口県の文学活動に大きな影響を与える。
大正10年1月17日、朝鮮仁川(韓国)生まれ。東京帝大文学部美学科中退。学徒出陣でハルマヘラ島に出征、戦争体験が詩作の動機となる。25歳で山口県光市に復員。教職の傍ら、昭和25年に詩誌『駱駝』を創刊、28年間同誌を主宰。昭和39年には詩人和田健らと山口県詩人懇話会を結成し『現代山口県詩選』を発行。詩集『海がわたしをつつむ時』などの著作がある。昭和51年7月27日、光市で死去。55歳。

参考文献:『やまぐちの文学者たち 増補版』(やまぐち文学回廊構想推進協議会 編集・発行,2013,請求記号:Y910/P 3)

資料紹介

作品集など

詩集『海がわたしをつつむ時』(礒永秀雄 著,鳳鳴出版,1971,請求記号:Y911.5/K 1)
50歳を機に刊行した礒永の集大成の詩集。<正統詩>を掲げた24年間の詩業がまとめられている。表題詩は彼の代表作のひとつであり、御手洗湾を臨む光市の室積みたらい公園には、この詩の終わりの部分を刻んだ詩碑が建立されている。
『礒永秀雄選集』(礒永秀雄 著,礒永秀雄選集編集委員会 編著,長周新聞社,1977,請求記号:Y911.5/K 7)
礒永の没後に出版された選集。前期、中期、後期の詩篇や訪中詩集『燃える海』(抄)、エッセイ、「八月の審判」等の雑文、小説、童話、年譜などを収録。礒永の作品や活動歴を知ることができる。
『夢の柩』 (礒永秀雄 著,潮出版社,1971,請求記号:Y/I 85)
童話集。表題作のほか「おんのろ物語」「天狗の火あぶり」「四角い窓と円い窓」など15編を所収。
『礒永秀雄の世界』(長周新聞社,2000,請求記号:Y911.5/N 0)
平成11年12月、下関市で開催された「礒永秀雄の世界展」の構成・内容をもとに長周新聞社が出版した礒永秀雄の選集。礒永の肖像写真や関連写真なども収録。「礒永の詩業略歴」(年譜)あり。

※令和5年3月末現在、礒永には、まとまった形での伝記・研究書などは刊行されていない。

研究文献など

詩誌『駱駝』148号 礒永秀雄追悼号(駱駝詩社,1976,請求記号:Y911.5/I 0)
昭和25年に礒永が創刊した『駱駝』は、翌年第1回山口県芸術文化振興奨励賞を受賞。室生犀星賞を受賞した詩人磯村英樹をはじめ、多くの人材を育てたが、礒永の急死により148号で終刊。追悼号では同人たちから見た礒永が語られる。巻末の「駱駝のクロニクル」には『駱駝』の活動記録や県内外の寄稿者たちの名前が掲載。
「いのちに最も近いところで歌う-礒永秀雄の作品と業績」(磯村英樹 著(『詩学』第26巻10号,p24-32,詩学社,1971,請求記号:R911.5/F 8)収録)
親友でもあった磯村英樹による作品論。年譜あり。

文学館・史跡など

“福田正義記念館” (下関市) 
記念館の2階に「礒永秀雄の世界」が常設展示。詩誌『駱駝』の他、直筆原稿、蔵書などが展示されている。(※事前予約をお勧めします。予約等の問い合わせ先:長周新聞社(電話 083-222-9377,所在地 山口県下関市田中町10番2号)

このほか、当館ウェブサイトや館内の蔵書検索機の「なんでも検索」で「礒永秀雄」と入力して検索すると、関係する資料を幅広く探せます。

ウェブサイトの最終確認日:2023年3月25日

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