中本たか子について調べる(調べ方案内・やまぐちの文学者編 No.007)

作成日:2023年6月30日、公開日:2024年3月27日

中本たか子の作品を読んだり、彼女について調べたりするための、基本的な資料をご紹介します。

ここで取り上げた資料は、2階の「ふるさとやまぐち文学ギャラリー」や、「山口県文学」の棚にあります。

この他にも、関係する資料があります。くわしくは、カウンターの職員にお尋ねください。

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人物紹介

中本なかもとたか子たかこ
生没年:1903-1991、ゆかりの地:下関市、ジャンル:小説

昭和を通じて活躍した小説家。本名、タカ子。
明治36年11月19日、豊浦郡角島村(現・下関市)生まれ。
県立山口高等女学校を卒業後、小学校教員をしたのち、小説家を志して上京、横光利一の推薦を得て作品を発表した。その後、プロレタリア作家となるが、非合法活動に携わって検挙・服役し、国策への順応を余儀なくされる。
戦後は、その反省に立って、反権力・平和運動をテーマとする作品を遺した。

参考文献:『やまぐちの文学者たち 増補版』(やまぐち文学回廊構想推進協議会 編集・発行,2013,請求記号:Y910/P 3)

資料紹介

主な伝記

『わが生は苦悩に灼かれて わが若き日の生きがい』(中本たか子 著,白石書店,1973,請求記号:916/K 3)
戦後に書かれた中本の回想録。戦前に発表した「受刑記」を加筆修正して『愛は牢獄をこえて』(五月書房,1950,請求記号:Y910/I 0)として刊行したのち、さらに加筆修正が加えられたもの。プロレタリア作家となることを決意した若き日の彼女が、労働者の町亀戸に移り住んで、工場労働と社会運動に身を捧げ、逮捕、投獄を経て、出獄するまでが描かれている。

なお、このほか、中本が関わった安保闘争を中心とした日記『わたしの安保闘争日記』(中本たか子 著 新日本出版社 1963 請求記号:Y915/J 3)もある。

作品集など

『近代女性作家精選集 016 南部鉄瓶工』(尾形明子 監修,ゆまに書房,1999,請求記号:Y/N 36)
岩手の南部鉄瓶生産者たちが、数々の障害を乗り越え組合を結成、成功するまでを描いた長編小説。このほか、「近代女性作家精選集」として、『恐慌』(尾形明子 監修 ゆまに書房 1999 請求記号:Y/N 36)、『耐火煉瓦』(尾形明子 監修 ゆまに書房 2000 請求記号:Y/N 36)がある。
『日本プロレタリア文学集 21 婦人作家集 1』(新日本出版社,1987,請求記号:Y/N 36)
中本の作品として、「赤」「恐慌」「闘い」など、9つの短編を収録。戦前に刊行された際は伏字だった箇所が、中本自身の手により復元されている。巻末に解説がある。

研究文献など

『中本たか子の文学世界』(山口県立大学文化創造学科地域実習班 編・発行,2010,請求記号:Y910/P 0)
山口県立大学で開催された同名展示の展示解説資料。「中本たか子の文壇登場をめぐって」「中本たか子と〈やまぐち〉」「中本たか子の回想」「昭和十年代の中本たか子」の4つに分けて、それぞれ関係する作品等を解説している。
“国立国会図書館サーチ”(国立国会図書館)
国立・都道府県府立・政令指定都市立・大学図書館等の蔵書のほか、雑誌記事なども検索できるサイト。「中本たか子」の語で検索すると、中本自身のものを含め、関係雑誌記事を探すことができる。

文学館・史跡など

“山口県立大学郷土文学資料センター”(山口県立大学)
山口県の文学関係資料を収集・保存・研究している。中本の著作のほか、書簡・自筆原稿などを所蔵している。なお、このほか「中本たか子文学資料館」(下関市角島)もある。

このほか、当館ウェブサイトや館内検索機の「なんでも検索」で「中本たか子」と検索すると、関連資料を探せます。

ウェブサイトの最終確認日:2024年3月23日

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