林勇蔵(明治維新人物調べかた案内 No.31)

林勇蔵について調べる資料をご紹介します。資料は山口県資料コーナーや明治維新人物ギャラリーの他、書庫内にあります。

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人物紹介

林勇蔵(ハヤシ・ユウゾウ)
文化10年(1813)~明治32年(1899)

吉敷郡矢原村で酒造場を営む山田和吉の四男として生まれる。和吉の父は矢原村大庄屋の吉富藤兵衛で勇蔵はその孫にあたる。

文政9年14歳の時吉敷郡仁保津村庄屋林文左衛門の養子となり、翌年に上中郷内の給領地の庄屋、天保12年上中郷庄屋、安政2年大庄屋と公職に就く。その間に灌漑工事、植林などを行い、また大田絵堂の戦いでは諸隊に資金や物資を支援。

明治以降は県租税課に勤め、地租改正に取り組み、椹野川堤防の改修等にも尽力。明治7年から10年まで協同会社副頭取・頭取を勤める。明治32年病没。享年87歳。

資料紹介

伝記、日記などを読む

『維新史料大庄屋林勇蔵』(復刻版)(藤井竹蔵著,小郡郷土研究会,1971,請求記号:Y289/H 48)
林勇蔵の伝記。大正5年豊島虎一発行による原本を校訂して復刻したもの。林家に伝わる史料を多数引用して叙述されている。巻頭に肖像画写真あり。
『林勇蔵日記』(小郡町史編集委員会編集,小郡町,2003,請求記号:Y289/H 48)
元治・慶応年間の日記・忘備録。山口大学図書館収蔵の「林家文書」に含まれた81冊のうち、当該年間の8冊を収録。庄屋あるいは大庄屋としての公務日誌。巻末に年表、日記登載人名一覧あり。
吉松達生「公開歴史講座 林勇蔵とその時代」(『大内文化探訪会誌 第32号』大内文化探訪会,2014,請求記号:Y247/L 3)所収
略年表及び林家系譜を掲載。
『林勇蔵翁』(林勇蔵翁没後百年記念顕彰の会,1999,請求記号:Y289/H 48)
林勇蔵の主な事績をまとめた冊子。カラー写真を収載。巻末に林家略系図と林勇蔵MAPがあり。

関係論文

渡辺尚志「歴史像はいかにつくられたか-地域指導者林勇蔵の明治維新」(『幕末維新期萩藩村落社会の変動』渡辺尚志編,岩田書院,2002,請求記号:Y612/N 2)所収
明治期における林勇蔵の明治維新像の形成過程についての論考。椹野川治水工事など明治以降に林勇蔵が携わった事業について詳述されている。
『東西豪農の明治維新』(渡辺尚志著,塙書房,2009,請求記号:Y289/H 48)
「林勇蔵の生きた明治維新」に、上記論考「歴史像はいかにつくられたか」を元に、林勇蔵が幕末期をどのように回顧したかを、林勇蔵の明治期の事績を踏まえながらコンパクトに書き改めたものが収められている。

関係論文等(明治初期の地方経済:地租改正・協同会社)

『長州藩明治維新史研究』(小林茂著,未来社,1968,請求記号:Y216.1/J 8)
林勇蔵が携わった「地租改正」「防長協同会社」「勧業局」に関する論考を収録。
『山口県史 通史編 近代』(山口県編集,山口県,2016[2018],請求記号:Y211/M 6)
『山口県史 史料編 近代1』(山口県編集,山口県,2000,請求記号:Y211/M 6)
「地租改正」「協同会社」にかかる史料を収録。

文書目録

『山口大学農学部所蔵庶民史料目録 第1集』(山口大学農学部,1961,請求記号:Y215/J 1)
山口大学附属図書館農学部分館に収蔵されていた文書目録で「林家文書」を収録。「林家文書」は林家より山口大学農学部に寄贈された約5,000点の文書群で、現在は山口大学総合図書館に収蔵されている。

データベース

山口大学図書館所蔵近世・近代庶民史料データベース(山口大学図書館所蔵林家文書)
上記の目録をデータベース化したもので、検索可。データベース化にあたり、データの再整理が行われ、目録情報の改訂と史料構成がなされている。史料解題あり。
山口県文書館 諸家文書 林家文書(小郡町)(山口県文書館)
山口県文書館が収蔵する林勇蔵が活躍した幕末維新期の文書が中心となった文書群で、文書館の「所蔵文書検索-階層検索」により検索が可能。文書群の解題あり。

ウェブページの最終確認日:2020年11月26日

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