入江九一(明治維新人物調べかた案内No.38)

入江九一について調べる資料をご紹介します。資料は山口県資料コーナーや明治維新人物ギャラリーの他、書庫内にあります。

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人物紹介

入江九一(イリエ クイチ)
天保8年(1837)~元治元年(1864)
諱:弘致(ひろいち)、弘毅(ひろたけ) 字:子遠(しえん) 通称:万吉、喜一、杉蔵(すぎぞう)、九一 変名:河島小太郎 雅号:松白(しょうはく)

天保8年(1837)、萩市土原(ひじわら)に生まれる。父は長州藩の足軽である入江嘉伝次(かでんじ)。5年後の天保13年(1842)に弟・靖(野村靖)が誕生。父が病身であったため、幼くして藩の小役人として仕える。

嘉永6年(1853)、福原冬嶺塾(ふくばらとうれいじゅく)に入門。安政3年(1856)7月嘉伝次が死去し、九一が家督を継ぐ。翌年、江戸の長州藩邸の小役人に換わる。

安政5年(1858)、松下村塾に入塾。通った期間は江戸から一時帰国した際の1か月程度であったにも関わらず、吉田松陰は九一を「才知にあふれ、忠義の志も厚い」と高く評価した。高杉晋作久坂玄瑞吉田稔麿と共に「松門の四天王」と呼ばれる。 文久3(1863)年、藩命により、九一は「士雇(さむらいやとい、武士の身分)」に出世。同年、晋作の「奇兵隊」創設に加わった。

元治元年(1864)7月19日、禁門の変で重症を負い自決。享年28歳。

資料紹介

生涯を簡単に紹介した本

『月刊松下村塾Vol.5 吉田松陰と入江九一、野村靖』(月刊松下村塾編集部 編,山口産業,2005.2,請求記号:Y289/Y 86/N 4)
写真とイラストを多く使用し、入江九一とその弟・野村靖の生涯をわかりやすく紹介している。巻末に両者の生涯と長州、日本、世界の動向を対照させた年表あり。
『月刊松下村塾Vol.5 吉田松陰と入江九一、野村靖』を県内図書館から探す。
『松陰先生の教育力』(広瀬豊 著,マツノ書店,2000.3,請求記号:Y289/Y 86/N 0)
昭和9年(1934)初版、昭和16年(1941)訂正版の復刻版。松下村塾塾生の吉田稔麿、入江九一、久保清太郎、楫取素彦の生涯についてまとめられている。
『松陰先生の教育力』を県内図書館から探す。
『松下村塾 近代日本を創った教育』(池田諭 著,広済堂出版,1968,請求記号:Y372/J 8)
松下村塾にまつわる人物について略伝をまとめたもの。塾生だけでなく、塾生を指導した人物や、塾生と行動をともにした人物についても紹介。九一については「入江杉蔵・野村靖兄弟」として弟・靖とともにp142-154に掲載。
『松下村塾 近代日本を創った教育』を県内図書館から探す。
『吉田松陰と松下村塾の青春 別冊歴史読本』(新人物往来社,1989.3,請求記号:Y289/Y 86/L 9)
松下村塾の塾生について人物別に概略をまとめている。写真が多くわかりやすい。
p180に松下村塾関係事件年表あり。入江九一については以下の箇所に記述あり。p44-47「入江九一 師と終始行動をともにした愛弟子」 p122 入江九一の墓の写真(京都 霊山墓地) p172 「松下村塾人物事典」入江杉蔵(九一)
『吉田松陰と松下村塾の青春』を県内図書館から探す。

史料(書簡・日記他)

『入江九一資料集』(入江遠 編,楽,1994.12,請求記号:Y289/I 64)
編者は九一の孫。吉田松陰全集、久坂玄瑞全集等から、九一に関する部分を抜粋し、ほぼ年代順に掲載。書簡や日記、歌等が収録されている。解説あり。
『入江九一資料集』を県内図書館から探す。
『吉田松陰と塾生』(松田輝夫 編著,松陰神社,2013.8,請求記号:Y289/Y 86/P 3)
吉田松陰全集から各塾生に関する記述を抜粋したもの。個人名の五十音順で掲載。入江九一についてはp30-39にまとめられている。巻末資料編に年表あり。
『吉田松陰と塾生』を県内図書館から探す。
『追懐録 維新回顧録叢書 4』(野村靖 著,マツノ書店,1999.8,請求記号:Y289/I 64)
野村靖が記した、幕末の動乱を生きた靖と母・満智の記録。明治23年刊行「追懐録」の復刻。巻末に「入江子遠遺稿」として九一の詩が収録されている。
『追懐録 維新回顧録叢書 4』を県内図書館から探す。

※明治維新人物調べかた案内No.37「野村靖」もあわせてご覧ください。

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