吉田稔麿(明治維新人物調べ方案内 No.16)

吉田稔麿について調べる資料をご紹介します。資料は山口県資料コーナーの他、書庫内にあります。

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人物紹介

吉田稔麿(ヨシダ・トシマロ)
天保12年(1841)~元治元年(1864)
諱:秀実、通称:栄太郎・年麻呂・年麿・稔麿、雅号:風萍軒

長門国阿武郡萩町の郊外松本村(現:萩市)に軽卒(足軽)の子として生まれる。松陰門下四天王(高杉晋作久坂玄瑞入江九一)の1人と称される。

嘉永元年(1848)、吉田松陰の外叔父である久保五郎左衛門に学び、安政3年(1856)松陰に入門。安政5年(1858)松陰の再投獄に反対し、重役宅に押しかけ、自宅謹慎を命じられる。以降、松陰処刑に至るまで松下村塾と距離を置く。

万延元年(1860)脱藩し、江戸に潜伏。変名を使って旗本に仕える。文久2年(1862)脱藩の罪を許され、帰国。文久3年(1863)、士雇となり、屠勇取立方に任命される。合わせて名を「栄太郎」から「年麻呂(稔麿)」に改名。元治元年(1864)、池田屋事件にて死去。享年24。

資料紹介

伝記

『松陰先生と吉田稔麿 増補版』(来栖守衛著 マツノ書店 2010 請求記号Y289/Y86)
昭和13年刊の伝記に研究論文を加えた増補版。文書も多数収録。
【収録論文】

  • 三宅紹宣「吉田稔麿の政治思想」
  • 三宅紹宣「幕末の志士達のアメリカ独立戦争認識」
  • 町田明広「池田屋事変における吉田稔麿」
『吉田栄太郎の幕末』(一坂太郎著 春風文庫 2011 請求記号Y289/Y86)
『吉田年麻呂史料』を元に記した伝記。巻末には、「吉田栄太郎の足跡を歩く」と題して、生誕地や松陰神社などが紹介されている。
『吉田稔麿の生涯』(一坂太郎著 萩ものがたり 2012 請求記号Y289/Y86)
全65頁で稔麿の生涯をわかりやすく紹介した読み物。付録部分に『萩博物館調査研究報告』に寄せた一部の論文が掲載されている。
『月刊・松下村塾 Vol.3 吉田松陰と吉田稔麿』(月刊松下村塾編集部編 山口産業 2004 請求記号Y289/Y86/N 4)
写真やイラストを交えて紹介。P46-47に「吉田稔麿の生きた時代」と題し、名前の遍歴や、長州・日本・世界の出来事を合わせた年表がある。

文書

『吉田年麻呂史料』(一坂太郎・道迫真吾編 マツノ書店 2012 請求記号Y289/Y86)
「往復文書」「述作等」「履歴史料」「関係史料」の四部で構成されている史料集。各史料に解説があり、遺墨を影印で見ることができる。『松陰先生と吉田稔麿』中「東風不競密話草稿」の脱漏等を修正し、掲載。

その他

『長州藩維新団』(布引敏雄著 解放出版社 2009 請求記号Y316/N 9)
幕長戦争で被差別部落を中心とした部隊に関する資料。稔麿の屠勇取立に関する記述あり。
『池田屋事件の研究』 (中村武生著 講談社 2011 請求記号Y215.8/P 1)
池田屋事件に関する書物を検証した研究書。池田屋における稔麿の動向を知ることができる。

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