前原一誠(明治維新人物調べ方案内 No.21)

前原一誠について調べる資料をご紹介します。資料は山口県資料コーナーや明治維新人物ギャラリーの他、書庫内にあります。

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人物紹介

前原一誠(マエバラ・イッセイ)
天保5年(1834)~明治9年(1876)
諱:一誠、字:士明・子明、通称:(佐世)八十郎・彦太郎・(前原)一誠、号:黙生・黙宇・松処・梅窓 他

萩藩八組士。長門国萩土原村(現萩市)に生まれる。天保10年(1839)から20年間は厚狭郡目出村(現山陽小野田市)で過ごした。

安政4年(1857)萩に戻り、松下村塾に入門。文久2年(1862)脱藩して長井雅楽の暗殺を謀るが未遂に終わる。元治元年(1864)下関で四国連合艦隊と戦い、慶応2年(1866)の四境戦争では小倉口の戦いに参謀心得として参加。明治元年(1868)、干城隊副督として北越出兵に加わった。

明治2年(1869)2月に越後府判事、後、9月に参議に就任し、12月には大村益次郎の後任として兵部大輔に転任。山口の脱隊騒動を機に明治3年(1870)辞職し帰郷。明治9年(1876)萩の乱を起こしたが敗れ、幹部数人で東上途中に入港した島根県宇龍港で捕らえられ、萩にて斬首された。43歳没。

資料紹介

伝記

『前原一誠伝』(妻木忠太著 マツノ書店 1985 請求記号Y289/MA26)
前原の代表的な伝記。前原家所蔵の書簡や日記を基に記されており、系図や年譜も充実している。
『松下村塾の明治維新』(海原徹著 ミネルヴァ書房 1999 請求記号Y216.1/M 9)
第二章のp44-106に萩の乱を中心とした前原の伝記があり、巻末には人名・事項索引と、松下村塾門下生の経歴一覧あり。

文書

『前原一誠年譜』(マツノ書店 2003 請求記号Y289/MA26)
郷土史家・安藤紀一がまとめた1929年発行の同書の復刻版。上下編構成となっており、上には1874(明治7)3月の佐賀の乱終結までの年譜、下には1874年4月からの日記。p135以降、年譜に登場する人物の略伝や関連史料など多数の附属資料が収載されている。巻末には「前原一誠・萩の乱関係文献目録」の記載あり。
『幕末維新名士書簡集』(李家正文編 木耳社 1981 請求記号Y216.1/L 1)
p3・4に前原の略歴があり、p13~55に書簡18通が掲載されている。

萩の乱

『萩の乱 増補 前原一誠とその一党』(松本二郎著  マツノ書店 1996 請求記号Y216.2/M 6)
p139~189に萩の乱に関係のある人物の紹介あり。p224に「引用書、関係書に関する所感」として、著者による参考資料の評価が記されている。
『山口県史 史料編 近代1』(山口県 2000 請求記号Y211/M 6)
第七章「萩の乱とその周辺」に、当時の新聞や布達類に掲載された前原の口述書や萩の乱概要に関する史料が収載されている。
『萩の乱に関する史料的研究』(田村貞雄 2001 請求記号Y216.2/N 1)
萩の乱に関する史料の紹介と検証、処刑人数表などを掲載。
『防長士族叛乱史料集成目録』(萩市郷土博物館 1979 請求記号Y216.2/K 9)
当館所蔵・文書館所蔵史料や新聞集成等から、萩の乱を主とした士族反乱に関わる史料や記事をまとめた目録。
『近世日本国民史 93 萩秋月等の事変篇』(徳富猪一郎著 近世日本国民史刊行会 1963 請求記号R210.5/G 4)
『明治内乱鎮撫記』(重松一義著 プレス東京 1973 請求記号Y216.2/K 3)
p111~123「前原一誠ら萩の乱の神速裁判と山口裁判所長時代」
『錦絵幕末明治の歴史 7 士族叛乱』(小西四郎編著 講談社 1977 請求記号Q721.8/K 7)
錦絵が掲載されており、萩の乱の様子も描かれている。
『山口県地方史研究』第24号(山口県地方史学会 1970 請求記号Y205/I 4)
p29~35「前原一誠の「東上諌奏」について―萩の乱に関する断片―」脇英夫

その他

『月刊・松下村塾 Vol.8 吉田松陰と前原一誠』(月刊松下村塾編集部編 山口産業 2005 請求記号Y289/Y 86/N 4)
『評伝 前原一誠』(奈良本辰也著 徳間書店 1989 請求記号Y289/MA26)

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