山尾庸三(明治維新人物調べ方案内 No.23)

山尾庸三について調べる資料をご紹介します。資料は山口県資料コーナーや明治維新人物ギャラリーの他、書庫内にあります。

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人物紹介

山尾庸三(ヤマオ・ヨウゾウ)
天保8年(1837)~大正6年(1917)
変名:山尾要蔵

長州ファイブ(長州五傑)のひとり。天保8年(1837)藩士繁沢家の給庄屋・山尾忠治郎の三男として周防国吉敷郡二島村(現山口市秋穂)に生まれる。

安政3年(1856)、江戸へ行き、練兵館に入塾。文久2年(1862)、御楯隊に加わり、英国公使館焼き討ちを決行。文久3年(1863)、伊藤博文・井上馨井上勝遠藤謹助らと英国に渡航。ロンドン大学で学び、グラスゴーで見習工として技術を磨いた。明治元年(1868)帰国。

明治3年(1870)、山尾の建議により、工部省が誕生。明治4年(1871)には工学教育を行う工部省工学寮(工部大学校)の設置を建議。開校した工学寮は建築家の辰野金吾や、「日本のエジソン」と称される藤岡市助など、優秀な人材を数多く世に送り出した。また、障害者教育にも力を注ぎ、明治4年(1841)に盲唖学校設置の建白書を提出、明治9年(1846)には楽善会に入会し、訓盲院設置に貢献。明治13年(1880)、工部卿に就任し、鉄道業・鉱山開発に尽力。明治18年(1885)第一次伊藤内閣にて法制官長官に任命される。明治31年(1898)、辞職。大正6年(1917)、81歳没。

資料紹介

伝記

『山尾庸三傳 明治の工業立国の父』(兼清正徳著 山尾庸三顕彰会 2003 請求記号Y289/Y 41)
p12~16に家系図、巻末に人名・事項索引があり、巻末の年譜は生涯だけでなく、家族の経歴・写真や、関連記事が発表された日など、没後も含めて山尾に関する事項を記した年譜となっている。
『山尾家と山尾庸三 増補改訂版』(日本外交協会萩支部 2017 請求記号Y289/Y 41)
『その後の長州五傑』(松野浩二著 東洋図書出版 2011 請求記号Y215.8/P 1)
長州藩の歴史的背景をはじめ、長州五傑の生涯を記した1冊。

工学教育

『日本工業教育成立史の研究 増補』(三好信浩著 風間書房 2012 請求記号507.7/P 2)
工部学校の設立経緯および巻末に人名・事項索引あり。
『国際日本を拓いた人々』(北政巳著 同文舘 1984 請求記号R210.6/L 4)
山尾や岩倉使節団の海外渡航と、外国人教師団を雇った工部学校に関する資料。巻末に人名・事項索引あり。

障害者教育

『山尾庸三 日本の障害者教育の魁』(松岡秀隆著 友月書房 2014 請求記号Y289/Y 41)
盲唖学校設立の建白書と、楽善会の詳細に関する資料。
『盲聾教育八十年史』(文部省 1958 請求記号R378.1/I 8)
巻末の「資料編」に、明治4年に提出した盲唖教育に関する建白書が収載されている。
『開校五十周年誌 昭和32年』(山口県立ろう学校 1957 請求記号Y378.2/I 7)

その他

『日本の工学の父山尾庸三』(萩博物館 2017 請求記号Y289/Y 41)
山尾家から萩市に寄贈された資料の写真を中心とした資料集。巻末に掲載資料の一覧あり。
『山尾家譜系伝』(山尾隆一 1985 請求記号Y288/L 5)
山尾家の詳細な系図。
『秋穂二島史』(吉松慶久著 二島公民館 1969 請求記号Y247/J 9)
第十篇「旧家人物」に山尾の略歴および分家も含む家系の紹介あり。
『密航留学生「長州ファイブ」を追って』(萩ものがたり Vol.6)(宮地ゆう著 萩ものがたり 2005 請求記号Y215.8/N 5)
ロンドンやグラスゴーなど、長州ファイブに関連がある地域の学者への取材記録。
『長州ファイブ物語』(萩ものがたり Vol.28)(道迫真吾著 萩ものがたり 2010 請求記号Y215.8/P 0)
長州ファイブの密航経緯、五人の経歴について紹介。振り仮名が多く、読みやすい。
『きらり山口人物伝 Vol.2』(夢チャレンジ出版事業刊行委員会製作 山口県ひとづくり財団 2008 請求記号Y280/N 7)
小学生・中学生向けにわかりやすく偉人を紹介。
国立国会図書館デジタルコレクション『名士の嗜好』(中央新聞社編 1900)(当館未所蔵。国立国会図書館デジタルコレクションにてインターネット公開)
p91-97「山尾庸三子 金魚」
中央新聞社が著名人に行った聞き書きをまとめた資料。

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